KO決着必至!井上尚弥と2度戦ったドネアとWBA挑戦者決定戦を戦う増田陸があの大谷翔平の名文句に倣い「1回から仕掛ける。真剣で斬り合う」大勝負に挑む
プロボクシングのWBA世界バンタム級挑戦者決定戦(15日、横浜BUNTAI)で元5階級制覇王者で同級1位のノニト・ドネア(43、フィリピン)と対戦する同級4位の増田陸(28、帝拳)が3日、帝拳ジムで公開練習を行い、1ラウンドから勝負を仕掛ける決意を明かした。“神の左”の継承者である増田はKO率80%。一方、左フックという武器を持つドネアもKO率が54%。増田は「真剣で斬り合う」勝負を挑む。
“神の左”の継承者vs“フィリピンの閃光”「気持ちが試される」
担当の大和心トレーナーが悲鳴をあげた。
「ほんと。やめてくれよ」
増田の左ストレートの威力とスピードにミットが追いつかない。
元WBC世界バンタム級王者、山中慎介氏の“神の左”の継承者、という謳い文句に偽りはない。
ここまで10戦9勝(8KO)1敗のキャリアを誇る。負傷判定勝利で終わった昨年11月の前戦と、プロ4戦目でバンタム級モンスタートーナメント準決勝&日本王座挑戦で対戦した現WBA世界同級王者の堤聖也(角海老宝石)に判定負けした2試合を除きすべてKO勝利。増田はプロボクシングの醍醐味であるKOを美学として実践できるサウスポーだ。
だが、ドネアもフィリピンの閃光の異名を持つ左のカウンターフックを武器とする“倒し屋”。2019年の井上尚弥戦ではその左フックでモンスターを眼窩底骨折に追い込み、43歳になったが、昨年12月の堤聖也との団体内統一戦では、序盤に堤をぐらつかせ最後まで堤を警戒させ続けた。結果は1-2の判定負け。しかし、リングサイドで見ていた井上尚弥を感心させるほど、年齢を感じさせない存在感を示した。
「あと2週間を切った。さらに研ぎ澄まして最高の試合を見せたい。1ラウンドから積極的に仕掛けていき、すべてのラウンドを支配する。理想はKOだがこだわらず、まず勝つことを一番にボクシングしていきたい。気持ちが試される試合になる」
やるか、やられるか。
増田の“神の左”か、ドネアの“左の閃光”か。
「1分1秒目が離せない展開になる。真剣で斬り合うような試合」
増田は覚悟を決めた。
ドネアの序盤の集中力は凄まじい。ただ年齢的なこともあり、中盤以降は、攻撃と休憩をうまく織り交ぜての省エネボクシングでラウンドをマネージメントしてくる。無尽蔵のスタミナを持つ堤は、その序盤をしのぎ、中盤から終盤での勝負を戦略的に仕掛けた。だが、増田はそのドネアの集中力のある序盤から真っ向勝負を仕掛けるというから面白い。
増田は、2年前に約700年前の室町時代の日本刀を所持許可証を取得して手に入れた。
「落ち着く。刀や刀匠によって違いがある。日本の物作りの原点。緻密で丁寧さ、そこに感じるものがある」
刃文を見つめ精神を集中する。
その集中力があるから序盤戦の「斬り合い」をあえて仕掛ける。
ただ「自分の打ち終わりや打つ前。すべてのタイミングで合わせてくる左フックを防げるような対策が身になっている」という。
問題は“神の左”を当てるための布石をどう打つか。ドネアレベルにやむくもに一発を狙ってはまず当たらない。

