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2022年のドラフト1位
2022年のドラフト1位

ノムさん“側近”元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「全球団が平均点以上だが日ハム、広島、オリがトップ3。“最下位”はソフト。集中型の特色出した中日、楽天、阪神も評価」

「横浜DeNAの1位の松尾汐恩(大阪桐蔭高)は、まだ線が細く、次の次の捕手。不作の年でなければ1位にはなっていない。2位でストレート、落ちる球も含めて完成度が高く先発でも抑えでも使えそうな吉野光樹(トヨタ自動車)を指名でき、左腕を見る目には定評のあるチームが肘に不安のある森下瑠大(京都国際高)を抑えたことは興味深かったが2位のチームが来年優勝するために必要なピースを埋めるという点では少し物足りなかった」
 ヤクルトは社会人ナンバーワンの呼び声が高い吉村を1位で確保、2位で数年後を見据えて高校通算54発の外野手、西村瑠伊斗(京都外大西高)を指名、3位では即戦力の左の長距離砲の外野手、澤井廉(中京大)、4位で奥尻島出身で話題となった左腕の坂本拓己(知内高)を指名してバランスの取れたドラフトをした。
 だが、元ヤクルトの松井氏が、あえて辛口採点した理由は「来年V3を狙う上で必ず押さえておかねばならなかったのは左腕の即戦力。先発では石川はさすがにしんどくなるし、中継ぎも田口一人に頼っていた面がある。そこを埋められた点をマイナスにした」という部分。
 平均の80点台に評価したのは、残る巨人、西武、ロッテの3球団。巨人は阪神より2点上の「82点」
「1位で浅野を引き当てた点で大成功。体はできているので巨人の陣容を見るとロッテの松川のように1年目から出てくるかもしれない。2位以下は全員即戦力。ここでも長打力のある外野手に目を向けて2位でパンチのある萩尾匡也(慶応大)、フル出場できなかった坂本のバックアップに4位で門脇誠(創価大)を指名した。一番の補強ポイントである即戦投手をもっと取るかと思っていたが、今年頭角を現した153キロ右腕の3位田中千晴(国学院大)と中継ぎタイプの5位の船迫大雅(西濃運輸)の2人。ハッキリ言って物足りないが、今季使った赤星、山崎ら若手の上乗せに確信があるのかもしれない。また育成で変則左腕の吉村優聖歩(明徳義塾高)を確保したことに注目したい」
 ロッテも荘司をクジで外したが、「コントロールが抜群で独特の腕の使い方で見逃しの三振が取れる」という菊地吏玖(専修大)を1位で指名。2位で「守備は安定。スイングスピードがある」という友杉篤輝(天理大)を確保した点を評価して「81点」とした。
 5位で将来を見据えた大型ショートの金田優太(浦和学院高)を指名した部分もバランスが取れている。ここ数年、ずっとショートを補強しながら決め手を欠いてきただけに、「その“負の連鎖”に終止符を打つことへの期待もある」という。
「外野が固定できなかった西武は1位の蛭間拓哉外野手(早大)を起用すると思う。打撃に修正は必要だが素材としてはナンバーワン。西武は選手コーチングの優れているチームなのでプロでの進化に期待したいし、2位以下で評判の高校生を3人指名できたのも大きい。甲子園を沸かせた山田陽翔(近江高)が5位指名の評価に終わったのは、プロで飛び抜けた特長がないと判断されたのかもしれない。ただ素材は間違いないし、私は彼のようなクレバーなリーダーはプロでも活躍できるという持論がある」
 2位の古川雄大外野手(佐伯鶴城高)は、通算21発&最速140キロ&100m11秒4のモンスター。3位の野田海人捕手(九州国際大付高)は鉄砲肩でU-18W杯では投手と捕手の二刀流で起用されたいずれも評判の逸材だが、松井氏は、山田への期待をこめて「80点」をつけた。
 最後に松井氏は、2022年のドラフトをこうまとめた。
「大事なのは入った後。どう努力して、チームがどう育てるか、そして本当の勝負は、5年後、10年後。喜ぶのは今日まで。もう戦いは始まっている」
(文責・RONSPO編集部)

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