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2022年のドラフト1位
2022年のドラフト1位

ノムさん“側近”元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「全球団が平均点以上だが日ハム、広島、オリがトップ3。“最下位”はソフト。集中型の特色出した中日、楽天、阪神も評価」

今回、特色を全面に出したのが、中日、楽天、阪神の3チームだった。松井氏は「阪神は80点、楽天は78点、中日は76点」と採点した。
 阪神は浅野をクジで外したが、同じく「右の外野手」の森下翔太(中央大)を外れ1位で指名、そして2位から5位まで4人を高校生でまとめた。12球団の支配下指名では最多だ。岡田監督は当初「全員高校生でいく」と宣言していたが、未来型ドラフトを貫いた。
「浅野が外れた場合は森下と準備していたのだろう。フライボール革命型のスイングなので修正は必要になるが、岡田監督なら、そこはぬかりがないし、パンチ力があり、足が速く、肩も強いので、我慢して外野で起用できる。高校生4人は、現状の阪神の充実した戦力の裏返しで、その中でも足りない評判の左腕、右打者を取っている」
 楽天は対照的に6人全員が大学、社会人で、しかも投手を5人指名した。即戦力集中型のドラフトだ。
「楽天はマー君、岸、涌井、則本と主力が30代で、投手力のテコ入れ、世代交代が急務。そこをしっかりと補強したことは評価できる。ロッテと競合した荘司と、前評判の高かった小孫竜二(鷺宮製作所)を1、2位で抑え、サイトハンドの伊藤茉央(東京農業大北海道オホーツク)を4位で指名した。伊藤は中継ぎをイメージしているのだろう。ただ肩を痛めていた荘司と制球難の小孫は今年浮上してきた選手。石井監督なりの裏付けがあるのだろうが未知数の部分もある」
 中日は7人中、内野手が4人。しかも2位の村松開人(明大)、5位の浜将之介(日本海オセアンリーグ福井)、6位の田中幹也(亜細亜大)、7位の福永裕基(日本新薬)と全員を即戦力で固めた。内野集中型ドラフトも異例だろう。
「1位の仲地礼亜投手(沖縄大)は2位でも獲得できたようにも思うが、その後の内野手の指名も含め戦略を考えてのものだったのだろう。中日の補強ポイントは打線強化に尽きる。中日の内野は、阿部と高橋がレギュラーだが、阿部は外野も試していたし、三塁を予定していた石川が怪我で、京田が頭打ち。2年目の土田をショートで使い存在感は示したが、立浪監督は、層を厚くして競争を高めたかったのだろう。4人も内野手を取ったことに批判の声もあるようだが、村松のインサイドを逆方向に打てる粘り強い打撃は実戦向きだし、1試合6盗塁を決めた田中はスピードタイプ、福永が大型。それぞれタイプが違う部分にも意図を感じる」
 一方、平均点ドラフトの中でも最下位の「70点」に位置づけたのはソフトバンクだ。
 「ソフトバンクは意図が見えにくかった。1位で身体能力抜群のイヒネ・イツア内野手(誉高)を獲得したのはいいが、チームとしては千賀がメジャー流出する先発の穴を埋めるのが、最大の課題であり、オリックスとの戦いを見ているとブルペンももう1枚足りなかったが、即戦力投手は2位の技巧派右腕の大津亮介(日本製鉄鹿島)と5位の中継ぎタイプの左腕、松本靖(亜細亜大)の2人だけ。テーマがぼやけたように感じる」
 また横浜DeNAが「73点」、ヤクルトが「75点」と比較的厳しい評価になった。

 

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