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ガーナ戦で代表初ゴールを決めた久保建英。ファウルを受けて転倒が目立ったがフィジカルが弱いとの指摘に反論を展開させた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
ガーナ戦で代表初ゴールを決めた久保建英。ファウルを受けて転倒が目立ったがフィジカルが弱いとの指摘に反論を展開させた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

W杯当落線上の久保建英が語った序列をアップさせるための条件とは?「フィジカルよりスピード」

  一緒くたにスピードといっても、実際にはさまざまな種類がある。例えば自身の走るスピードをカタール大会開幕までに上げる作業はほぼ不可能といっていい。対照的に思考回路のスピードは、味方とのコミュニケーション次第で上げられる。

 国内4連戦に臨んでいる6月シリーズでは、伊東純也(29、ヘンク)をはじめ古橋亨梧(27、セルティック)、ガーナ戦で久保とA代表初ゴールで共演した前田大然(24、セルティック)、2日のパラグアイ代表戦で先制ゴールを決めた浅野拓磨(27、ボーフム)と縦へのスピードに長けたフォワード勢が招集されている。

 東京五輪を戦ったU-24代表にはなかった特長として「スピード」をあげながら、速さを操るパスの出し手としてのイメージを日々、久保は膨らませている。

「変な話、カウンターで一発ポーンと裏にパスを出せればそれだけでチャンスになるし、そういう戦いにはより適しているのかなと僕のなかで勝手に思ったりもしています。そういったところも、次の試合から意識していければ」

 幼少期に心技体を磨いたスペインの名門バルセロナの下部組織で培われた、忌憚なく自己主張できるメンタルを久保は持ち合わせている。日本ではビッグマウスの類と映り、場合によっては言い訳だと拒絶反応を示されるケースも少なくない。

 それでも代表を強くするために臆さず、ある種の呪縛から解き放ってくれた初ゴールを触媒としながら久保は発信を続ける。そして、発言した分だけ生じる責任とプレッシャーを力に変えながら、実際にピッチの上で具現化させる作業を繰り返していく。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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