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4.8有明でWBA世界バンタム級王座決定戦に挑む井上拓真(右)と特別コーチとして指導したロンドン五輪代表の須佐勝明氏(左)
4.8有明でWBA世界バンタム級王座決定戦に挑む井上拓真(右)と特別コーチとして指導したロンドン五輪代表の須佐勝明氏(左)

「最終回をしっかり決めてすげえ」WBCではなくWBA王座を狙う井上拓真も大谷翔平の「泥だらけのストッパー」に刺激を受ける

 須佐氏は一体何を真吾トレーナーから依頼され拓真にどう伝授したのか。現役時代には、カザフスタン、インドネシア大領領杯で金メダル、アジア大会でも銅メダル、全日本を4度制するなどした須佐氏は“ステップワークの達人”として知られる。尚弥には、いくつもの強さの秘密があるが、そのひとつが、ステップイン、ステップバックのスピードとタイミングで、それは須佐氏の動きから学んだものが原点となっている。
 拓真のこの2年間の成長を大橋会長は、「ディフェンスが凄く伸びている。大橋ジムで一番安心して見られる」と評価した。
 兄譲りのステップイン、ステップバックを会得しつつあるが、まだ本来持つパンチ力を試合では、100%発揮できずに、試練の国内3連戦でもKO勝利はなかった。ステップインを含めた下半身とパンチの連動がテーマだった。尚弥からも「体の使い方を意識したらもっと強くなる」とアドバイスを受けていた。あくまでも推測だが、おそらく須佐氏から伝授されたのは、そこだろう。
 この日の公開練習は、シャドー、ミット、サンドバックの1時間のメニューだったが、右の威力が、凄まじく強くなっているように見えた。
 真吾トレーナーも「前は手打ちだったが、体を使えるようになってきた。正確なフォームで打てているから」と、その理由を説明した。
 須佐氏もフットワークに関して「無駄がない」と合格点を与え「右のストレートが強い。右ボディもむちゃくちゃ強い。プロテクターをしていてもきく。もともと強いけれど、さらに強くなっている」と、その増幅されたパンチ力を称賛した。
 
 ソリスは、突貫型の好戦的なファイターだ。どんどん前に出て左右のフックをふりまわし、伸びてくる右ストレートを武器とする。2016年には当時WBC世界バンタム級王者の山中慎介にKO負けしたが、その右ストレートでダウンを奪い、一瞬、ヒヤっとさせた。
 それから7年も経過、スピードこそ衰えているが、好戦的なファイトスタイルは変わらず、3年前には、1-2で判定負けしたもののディフェンス力抜群の2階級制覇王者のジェルモ・リゴンドー(キューバ)を追い回してぐらつかせたシーンもあった。昨年11月にはルイス・カリージョ(メキシコ)を2回TKOで倒してランキング上位をキープしている。

 

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