メッシ涙の逆転勝利も「アルゼンチンが審判に圧力をかけた」エジプト監督が”疑惑VAR判定”に激怒の抗議…2点目ゴール取り消しが物議…「どこまで遡ってファウルを取るか」専門家見解も割れる
サッカーのW杯北中米大会の決勝トーナメント2回戦が7日(日本時間8日)、米アトランタで行われアルゼンチンが0-2の劣勢からエジプトに3-2で逆転勝利した。リオネル・メッシ(39)は前半20分のPKを止められるも1-2で迎えた後半38分に同点ゴールを決め、さらにアディショナルタイムに勝ち越すと号泣した。だが、後半13分にエジプトのゴールがVAR判定で取り消される問題があり、エジプトのホッサム・ハッサン監督(59)は「不当な扱いを受けた」と審判の判定に怒りを爆発させた。
「我々は不当な扱いを受けた」
もはや神格化されているメッシが泣いた。0-2の大劣勢からの逆転勝ち。メッシは、前半20分の同点機のPKをGKに阻まれていただけに、なおさら思いがこみ上げてきたのだろう。1-2で迎えた後半38分。右サイドからメッシがゴール前にクロスをあげ、混戦となり出てきたこぼれ球をペナルティーエリア内でダイレクトシュート。GKの手を弾きクロスバーに当たりながらゴールネットを揺らし土壇場で同点に追いついた。キャプテンの一発で勢いづいたアルゼンチンは、アディショナルタイムにエンソ・フェルナンデスが頭で決勝ゴールをねじ込んだ。
だが、エジプトの指揮官は、敗戦を受け入れることができなかった。
アルゼンチンメディア「ラ・ナシオン」によると、試合後の会見でハッサン監督は審判の判定に激怒した。
「私たちは不当な扱いを受けた」
そして「私たちはボールを保持している時間帯でより良いプレーをした。現世界王者をあらゆる面で上回っていた。それにもかかわらず、結果は試合中のピッチ内の要因、さらには試合前から存在した要因にも左右された」と続け、フランス人のフランソワ・ルテクシエ主審に対して、こうも言った。
「どうやらアルゼンチン側が審判に圧力をかけていたようだ。その結果がこれだ」
ハッサン監督が不服を訴えた疑惑の判定は2つある。
一つ目は、後半13分に電光石火のカウンター攻撃からモスタファ・ジコが奪った2点目が、VAR判定の末、取り消された場面だ。自陣でアルゼンチンのDFリサンドロ・マルティネスから2人がかりでボールを奪った場面でMFマルワン・アティアが足を踏み、引っ張るなどのファウルを犯していたと判断されたのだ。
だが、これはファウルはアルゼンチンが攻撃していた場面で起きたものであり、ゴールにつながるまでには、ピッチ全体を使ったプレーが続いていたため、VARがそこまで遡って判定したことが物議を醸した。
米FOXスポーツの中継では、このVAR判定について議論が起きた。
FOXスポーツの解説者で元イングランド代表GKのロブ・グリーン氏は、「これは明らかにVARが介入して見直すべき範囲ではないだろう。ゴールまでピッチの端から端までプレーが続いている」と異議を唱えた。
一方、元国際審判で、サッカー審判専門家のジョー・マクニック氏は、ファウルがあった以上、ゴールは取り消されるべきだったとの見解を示した。
「攻撃局面におけるファウルが、その後の得点、あるいは得点したチームのボール保持につながった場合、そのゴールは取り消され、相手チームにフリーキックが与えられる可能性があります」
グリーン氏は判定に同意せずアルゼンチンは救われたとの見方を示した。
「アルゼンチンにとっては本当に助かった判定だ。ピッチ全体を遡っているじゃないか。100ヤード(約91.4メートル)も離れた場所で、誰かが相手の足を踏んだことが、VARがサッカーに導入された理由ではない。今やVARは本来持つべき権限をはるかに超えてしまっている。主審はそのタックルを見ていて、ファウルを取らないと判断した。それなのに、エジプトは見事なカウンターから決めたゴールによって2点差をつけるはずだったのに、その権利を奪われた」
そうハッサン監督の主張を支持した。

