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因縁の井上尚弥戦を元3階級王者“悪童”カシメロがリング上マイクで要望もKO決着できずスタミナ切れ露呈でアピール“不発”

 カシメロがベルトを保持していれば、対戦の可能性があったが、ポール・バトラー(英国)との指名試合で2度も失態を繰り返した。2度目は英国内のルールで禁止されているサウナを使っての減量を行ったことが発覚して、タイトル戦が認められず、その後、ベルトを剥奪。暫定王者から正規王者へ格上げとなったバトラーを昨年12月に井上が倒して4団体統一に成功したという因縁が両者にはある。
 試合後、カシメロは、契約を結んでいる元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏が代表を務めるトレジャーボクシング(TB)プロモーションを通じて「相手がこんなに強いと思わなかった。1、2ラウンドでKOで終わらせようとしたが、相手は本当にタフで、この試合に向けてしっかり準備してきていた(ので苦労した)」と、前王者を称えるコメントを発信。今後のプランについて、こう続けた。
「次の試合はまだ決まってないが、マネージャーから暫定か世界タイトル戦と聞いたので、これを目標にしっかりと準備していきます」
 現在、カシメロは、WBO5位、WBC8位、IBF15位にランクされている。カシメロが口にした「次は暫定か世界タイトル戦」が何を意味するのか不明だが、WBC&WBO王者は、井上が挑戦するフルトンで、カシメロが、次にタイトルを狙うとすればWBA&IBFの新王者となったばかりのマーロン・タパレス(フィリピン)とのフィリピン人対決しかいない。だが、タパレス陣営は、フルトンー井上戦の勝者との4団体統一戦を希望しており、WBAの1位にランクされている亀田和毅(TMK)も指名挑戦権を主張していてカシメロが割って入る余地はない。
 ただカシメロは、TBトプロモーションと3試合の契約を結んでおり、伊藤雅雪氏のパイプを使えば、今後の展開として井上戦の実現は、決して不可能ではないだろう。
 とはいえ、4階級制覇への“階級の壁”とスタミナ切れの課題を露呈してしまったカシメロの井上戦へのアピールは不発に終わったのが現実。いくら、今後、SNSで挑発しても、現状のままでは、井上陣営から「挑戦者に価しない」と判断されてもおかしくない。
 最後に。
 IBプロモーションの海外での画期的な興行は、韓国での2回に続いて今回が3回目となったが、アンダーカードで行われた花田歩夢(メキシコ)の8回戦、井上岳志(ワールドスポーツ)のWBOアジアパシフィック・スーパーウェルター級タイトルマッチの2試合の露骨な地元判定は酷かった。この結果を放置せず、今後に向けてのフィードバックは必要だろう。

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