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来季からNPBのイースタンリーグに新規参入する新潟アルビレックスの本拠地「HARD OFF ECOスタジアム新潟」(右下)は約3万人を収容可能(写真・アフロ)
来季からNPBのイースタンリーグに新規参入する新潟アルビレックスの本拠地「HARD OFF ECOスタジアム新潟」(右下)は約3万人を収容可能(写真・アフロ)

「戦力外の選手に再起の機会を作りたい」…NPB2軍に新規参入内定の新潟アルビレックスが抱く“戦力外の男たち”の獲得構想

 今年は、第1次、第2次の戦力外通告を経て、12球団合同トライアウトが11月15日に日ハムのファーム本拠地である千葉の鎌ケ谷スタジアムで開催される。新潟アルビレックスは、橋上監督らスタッフを総動員し全力でチェックするという。
 昨年トライアウトを受験したのは49人で、声がかかったのは、ヤクルトの三ツ俣大樹内野手(31、中日)、ソフトバンクの渡辺佑樹投手(27、楽天)、横浜DeNAの西巻賢二内野手(24、ロッテ)、オリックスの上野響平内野手(22、日ハム)の4人だけ。狭き門だが、今オフは、新潟アルビレックスだけでなく、ハヤテ223も戦力外選手に注目しており、2球団の2軍新規参入の恩恵を得て、“プロ”と再契約できる選手が増えるかもしれない。ちなみにトライアウトでの過去最多の再契約人数は2020年の6人だった。
 新潟アルビレックスは、すでにJリーグ、Bリーグのプロチームを持つ。
 本拠地となるHARD OFF ECOスタジアム新潟は、約3万人の収容可能で、毎年、プロ野球の公式戦も開催されている立派なスタジアムだ。
 チームはBCリーグ時代に比べて運営予算を約7倍の規模にアップすることを見積もってまで、NPBの2軍に参入した目的は2つある。ひとつは、地域の活性化と、野球の底辺拡大、もうひとつは、NPBの1軍でプレーできる選手を輩出することにある。
 橋上監督は、「新潟の地域の方に愛してもらい、応援してもらえるようなチームにしたい。巨人などの人気チームと対戦する中で、勝負にもこだわり、アルビレックスの野球を見にいきたい、と思ってもらえる戦いを見せたいし、“この選手を見たい”という選手を育てたい」との意気込みを語った上で、プロの世界を知り尽くす“目線”で、こう続けた。
「やはりプロで活躍する選手を出したいですね。ドラフトに関しては、独立リーグと同じ扱いになるそうなので、高卒でも1年でドラフトにかかることができます。スカウトからすれば、2軍戦を見る中で“プロに入ってみなければわからない”という不安要素が消えるわけですから、ウチで成長し、結果を出せば、間違いなくプロへの近道になります。プロ志望を出したけれど、惜しくもドラフトにかからなかったという有望選手の受け皿になりたい」
 阪神の渡辺雄大投手(32)、横浜DeNAの知野直人内野手(24)が新潟アルビレックス出身で、アマチュア側からの問い合わせが増えるなど、その期待は大きい。NPBが決断したファームのエクスパンションは、野球界全体に意外な波及効果を生むのかもしれない。
(文責・RONSPO編集部)

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