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3勝3敗で迎える運命の決戦
3勝3敗で迎える運命の決戦

「魔球への戸惑いと痛恨のスクイズ失敗」なぜオリ山本由伸は逆王手をかける“魂の138球”完投勝利でシリーズ三振記録を打ち立て、第1戦でKOした岡田阪神は攻略できなかったのか?

 では今日5日の最終決戦の行方はどうなるのか。
 第7戦の先発不在問題を抱えていた阪神は青柳を選んだ。
 今季8勝6敗、防御率4.57。途中ファーム落ちも経験するほどの不安定なシーズンだった。しかも立ち上がりが最も悪い。イニング別の失点を調べると初回が17失点でワーストである。ただ、オリックスが慣れないアンダースローに戸惑う可能性はあるだろう。
 青柳とはタイプが違うが、西武の與座と今季5月7日に一度だけ対戦している。その立ち上がりに中川のタイムリーで先取点を奪い、2回にもシュウインデルの2ランで追加点をあげたが、そのシュウインデルは、シリーズ登録の40人枠を外れており、頓宮や森はノーヒットに抑えられていた。岡田監督は、この日、伊藤将をベンチ入りさせていた。もし青柳が悪ければ、すぐにでも伊藤将を投入してくるだろう。策士の中嶋監督が、青柳対策に左打者を並べてくれば、交代したところから逆手となる。岡田監督の見極め、継投策が重要になってくる。
 一方の宮城は第2戦で6回を4安打無失点。右打者のインサイドを厳しく攻め込んでストレートが伸びていた。近本、中野、木浪と打線のキーマン3人が左打者の阪神にとって嫌な左腕。ただ近本、木浪はノーヒットに終わったが、中野は2安打、1四球と全打席出塁しており、宮城にとっては、要注意打者となる。
 前出の阪神OBの一人は、「宮城と青柳のマッチアップを考えるとオリックスが有利でしょう。オリックスは、宮城頼み、阪神は総力戦。だが、今日の村上を見てもわかるように、日本シリーズは特別な舞台で、普段通りの投球は難しく、宮城だってスタートしてみなければわからない。今シリーズは、1試合、1試合、試合内容が揺れていて、勢いなど関係ない。阪神も負けを引きずらないので、本当の一発勝負になると思う。両軍の用兵も含めてミスをして隙を見せた方が負ける」と予想する。
 お立ち台で、中嶋監督は、オリファンにこう呼びかけた。
「タイガースとオリックスのふたチームしかない。勝ち負けがどうしてもついてしまう。ここまでは、いいゲームができていると思っています。明日が決戦となりますので、みなさん、大きな声でのど飴を持ってしっかりと応援して下さい」
 のど飴と、岡田監督が使っていることでブレイクしたパイン飴が交錯して虎党がSNSで反応した。
 一方の岡田監督は、もう思考が、切り替わっていた。
「最終決戦?まあしょうがないやんか。3勝3敗なったんやから。最後に京セラいうのは、ピッチャーも一緒やからいいやんか」
 3月31日のここ京セラドームでの開幕投手も青柳だった。
 岡田監督はいつも言う。
「野球ってなんか不思議な巡り合わせが起きるんや」
 本当の最終決戦。プレーボールは午後6時30分。
(文責・RONSPO編集部)

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