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青木真也氏の投稿に井上尚弥らボクシング界が大反発
青木真也氏の投稿に井上尚弥らボクシング界が大反発

井上尚弥らが青木真也の問題投稿に反論…亡くなった穴口一輝の日本王座戦が「年間最高試合」に選ばれたのは美談なんかではない

 プロボクシングの穴口一輝(享年23、真正)が4度ダウンを喫した日本王座戦の試合後に意識を失い、開頭手術後、治療を続けていたが2日に亡くなった悲しい出来事を巡って、総合格闘家の青木真也(40)がXに投稿した記事内容の一部にスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(30、大橋)が反論する“論争”が起きた。同試合は2日に発表された2023年度の「年間最高試合(世界戦以外)」に選ばれていたが、青木が「年間最高試合が死亡事故なのはその競技を疑わざるをえないと思うんですよね」と問題投稿。井上は重要な時系列に関する認識不足を指摘した。またJBC(日本ボクシングコミッション)は、今回の出来事を検証し再発防止策を協議することを表明しているが、青木は「お気持ち表明や美談で済ませてはいけない話」と、間違った認識の投稿を続け、ボクシングファンや関係者からの反発を受けている。

 受賞された40分後に息を引き取った

 本来はSNS上の“論争”とは距離を置いてきた井上尚弥もさすがに黙認はできなかったのだろう。総合格闘家の青木のXへの投稿の一部に対してハッキリと反論した。
「年間最高試合に選ばれたのは穴口選手へのエールでもあったと思います。 受賞された40分後に息を引き取ったと聞いてますので皆さんには誤解だけはして欲しくないと思います」
 懸命の治療の続けられていた穴口が2日、帰らぬ人となり、SNS上には、哀悼の意を評するコメントが相次いだが、総合格闘家の青木は自らのXに「ご冥福をお祈りします」とした上で、「安全管理を再検証して再発防止策を講じるのはもちろんのこと、格闘技競技がスポーツとして許されるのか否かの議論が一度あってもいいと思います」と問題提起した。
 さらに「ボクシングは死亡事故が起きるし、MMAとキックは減量で死亡事故が起きるし、格闘競技の安全性に対して議論があって然るべきだと思いますよ。お気持ち表明して済ませるから改善されない」と続け、問題の一文を投稿した。
「年間最高試合が死亡事故なのはその競技を疑わざるをえないと思うんですよね」
 ボクシングファンや関係者からの反発の声が高まると、青木は「事故が起こった試合を評価対象に挙げてしまうことに対する違和感ですよ。安全に対する意識が低いのはいかんと思います」と投稿を重ねた。過去に自らが書いた安全性に対する持論が掲載されたサイトも紹介した。
 穴口が、病院に救急搬送され、緊急の開頭手術を受けることになった試合は、昨年12月26日に有明アリーナで、井上のマーロン・タパレス(31、フィリピン)とのスーパーバンタム級4団体統一戦のセミファイナルとして実施された日本バンタム級タイトルマッチだった。優勝賞金1000万円の「井上尚弥4団体統一記念・バンタム級モンスタートーナメント」決勝として、日本同級王者、堤聖也(28、角海老宝石)のベルトに挑戦した。
 穴口は4、7、9ラウンドと3度のダウンを喫しながらも、その度に立ち上がって反撃。壮絶な打撃戦となったタイトル戦は、最終ラウンドまでポイントでは穴口がリードしていた。
 10ラウンドを前に穴口は山下正人会長に「倒してきます。絶対に勝ちます」とハッキリと宣言してコーナーを出ている。だが、ゴング間際にダウンを喫して、その失点で逆転負け。最後の最後までどうなるかわからない激戦で、タパレス戦に備えて控室でモニターを見ていた井上が「凄い熱戦で、セミファイナルであれだけ熱い試合をされたら、自分もそれ以上という気持ちになった。両選手に拍手を送りたい試合だった」との感想を口にしたほどの名勝負となった。
 リングサイドでは、現役、元ボクサー、ジム関係者らから「凄い試合だった。年間最高試合候補だな」との声が多く聞かれた。

 

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