「37歳の井岡一翔は70%の出力でしか練習できていない」5.2東京D決戦へ井上拓真陣営が仕掛け、井岡陣営は「全部を見せる必要はない」と武器隠す…5階級制覇が「ボクシング人生の集大成」
自らに暗示をかけるがごとく覚悟と決意の言葉を繰り返した。
「いつも以上に気合が入ってるという言い方があってるのかわからないが、気持ちは高ぶっている。こういう大きな舞台でのチャンスに挑戦できることはすごく幸せでありがたい。簡単に勝てる相手じゃないと思う。最後まで自分たちが準備すべきことに集中したい。皆さんの期待通り、期待以上の試合をして5階級制覇の偉業を達成したい」
この世界戦の勝者の次期挑戦者も内定した。
11日にWBC世界バンタム級挑戦者決定戦が行われ、昨年11月に井上拓真に敗れた那須川天心(帝拳)が元2階級制覇王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)の肋骨を折って9ラウンド終了時点でギブアップさせた。井上拓真に勝てば次は天心。
それでも井岡は「試合の結果しか見ていない。次の試合がとても大事な試合なので他のことは関係なく試合に全集中していきたい」と多くを語らなかった。
14日に36歳になったエストラーダはかつて井岡が対戦を熱望していたレジェンドでほぼ同年代。しかもエストラーダも井岡と同じくバンタム級へ転級2戦目だった。
筆者は「エストラーダの敗戦に自分を重ね危機感を抱かなかったか?」と質問した。井岡は「ないですね」とキッパリと否定した。
そして「自分は自分なので何も気にすることはない」と続けた。
「これまで打ち立てたものを守っても仕方がない」とも言ったが、元4階級制覇王者のプライドがのぞく。
勝てばメインで中谷潤人(M.T)とスーパーマッチを戦うスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥よりも先に日本人初の5階級制覇を達成するが「記録や他の選手のことは全く頭にない」とも言った。
そしてこのバンタム級が最後のステージとなることを明かした。
「スーパーバンタム級は考えていない、次の試合がボクシング人生の集大成となる。自分自身を証明したい」
井岡の覚悟は半端ではない。
準備と戦略も万全に整えた。
軽量級は米国でもスパーリング相手が決して豊富ではないため、今回も米国ラスベガスにあるイスマエル・サラストレーナーのジムは訪れず、国内で調整した。
5年前に井上拓真と対戦して負傷判定で敗れた元OPBF東洋太平洋バンタム級王者のパンチャーの栗原慶太(KOD LAB)、同スーパーフライ級王者の横山葵海(ワタナベ)らをパートーナーに約100ラウンドのスパーリングをこなした。
バンタム転級初戦となる年末のWBA世界挑戦者決定戦前にはボクシングのトレーニングとフィジカルトレーニングの割合をこれまでの「8-2、7-3」から「5―5」までに変えて肉体を改造。同級11位のマイケル・オルドスゴイッティ(ベネズエラ)からダウンを2度奪い4回KO勝ちしたが、今回もまだフィジカルトレの割合を変えていない。

