なぜ井上尚弥は中谷潤人の眼窩底骨折した左目を狙わなかったのか…「叩きのめそうという気持ちが100%ではなかった」武士道に通じるフェアプレー精神…大橋会長はフェザー級での再戦示唆
2人は試合終了のゴングが鳴ると、互いニヤっと笑って、抱き合い健闘を称え合った。
「中谷選手の技術だったり気迫だったりを感じながら戦っていた。向こうもそういう気持ちだったと思う。互いに打っても当たらない空間というものをお互いが楽しんでいた。自然と出た笑顔だった。1年前から互い意識しながらやってきた。戦いが終わった瞬間、すべてが終わったという表情なのかな」
井上が示したスポーツマンシップも含めて5万5000人を埋めた東京ドーム大会にふさわしい名勝負だった。
2人のライバル物語はこれで終わりなのか。
大橋会長は数年後のフェザー級での再戦可能性を示唆した。
「計量時に中谷選手の体が(年末の)サウジと全然違っていてビックリした。睨み合ってニヤっと笑って握手した時に恐怖を感じた。凄い肉体。別人になっていた。(中谷は)スーパーバンタム級だけでなくフェザー級でもチャンプになってもっと強くなる。スーパーフェザー級までいける。上げれば上げるほど強くなる。フェザーで再戦?それも面白いんじゃないですか」
井上も「僕的にはそういう望む声があれば第2弾も全然ありかなと」と再戦の可能性を認めつつ「また違うステージに行くっていうのも選択肢の1つではあると思う」とも付け加えた。
大橋会長は年内にもう試合を組まない可能性も明かした。
来年2月に名古屋のIGアリーナでサウジアラビアの「リヤドシーズン」が日本大会を開催することを計画中でそのメインで無敗のスーパーフライ級のWBC、WBA、WBOの3団体統一王者、ジェシー“バム”ロドリゲス(米国)と戦う方向が濃厚となっている。総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官が井上に50億円のファイトマネーを用意しているとの情報もある。
井上は試合前のTikToK ライブで「スーパーバンタム(級)でひとつやりたいなと思っている試合(がある)。それが終われば、ラストの挑戦でフェザー級」と語っていた。
それは誰か?と改めて問うも「そんなこと言いましたっけ?記憶にございません」と返答を濁し「白紙」を強調した。
モンスターの伝説はまだ序章に過ぎない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

