なぜ?「プロの評価が落ちることはない」横浜の織田翔希が智弁和歌山に攻略された理由…疲労による球威不足と“元阪神”監督の対策…「登板回避した佐々木朗希より織田の決断を支持」
第108回全国高校野球選手権の準決勝2試合が20日、甲子園で行われ、横浜のエース織田翔希が先発したものの、智弁和歌山の楠本龍生に3ランを浴びるなど8安打4失点で3回途中で降板し、チームは1-7で敗れた。織田はなぜ打たれたのか。そして今秋のドラフトへの影響はあるのか。試合後に村田浩明監督はメジャーも選択肢にあることを明かしている。
152㎞のストレートをライトスタンドへ運ばれた
新怪物の夏が終わった。
3回途中で降板した織田は1-7の敗戦の瞬間にベンチにいた。必死に涙をこらえた。目は真っ赤。アルプスの応援席へ挨拶に向かった後には、小野舜友を励まし、泣きじゃくる2年生捕手、脇山魁音の肩を抱きながらベンチへ戻った。
「申し訳ないなという気持ちが大きかった」
村田監督は18日の花巻東戦で123球完投していた織田を先発マウンドに送った。
明らかに疲れが見えた。
1回からストレートは150キロをマークはしたが、甲子園最速となる156キロを叩き出したここまでの4試合の登板でのねじふせるような球威はなかった。変化球主体でいきなり二死から連打を浴びた。2回にも一死一、三塁のピンチを背負い、セーフティースクイズをファースト小野の好守備に助けられた。
そして3回だ。荒井優聖の二塁を襲う打球が内野安打となり、井本陽太を2球で追い込みながらも外角の見送ればボールのチェンジアップにうまくバットを合わせられて打球はレフト線へ落ちた。無死一、二塁から山田凜虎にストライクが先行しながらも内角低めへの149キロのストレートを引っ張られて打球は三塁ベース上を抜け同点とされた。さらに無死二、三塁で楠本にはボールが2つ続いた。
「つなぐという気持ち。2-0でまっすぐ一本に張ったという覚悟がしっかりできた打席。(過去)一番完璧でした」とは楠本の試合後の回想。
インローに投じたストレートは152キロを表示していたが、楠本がスパンと振り抜いた打球は、ライトスタンドへ。現役時代に阪神、楽天、巨人で主に捕手としてプレーした中谷仁監督が「ちゃんと走れ」と苦言を呈した“確信歩き”をするほどの凄い打球だった。
さらに一死からショートの右を強襲する内野安打を許したところで、村田監督は、左腕の小林鉄三郎への交代を告げた。56球で降板することになった織田は、一瞬、その交代が信じられないような表情を浮かべた。
スポーツ各紙の報道によると、試合後「すごく情けなくて、チームに悪い流れをもたらしたままマウンドを降りてしまったので最後の最後に何してるんだろうっていうのが一番ありました」とコメントしている。
なぜ織田は打たれたのか。
元ヤクルト編成部長としてドラフトを統括、コーチとしてもヤクルト、阪神、楽天で“名将”故・野村克也氏を支えた松井優典氏はこう分析した。
「智弁和歌山が織田の150キロを超えるストレート対策をしていた。高速設定したマシンで目を慣らして、叩くイメージで高めには手を出さず、食らいつき、変化球に対応する二段構え。そこに織田は疲れからか、ボールがいっていなかった。キレも球威もここまでの4試合とはまるで違っていた。その両方がうまくリンクして織田は結果を残せなかった。智弁和歌山の準備の裏をかいて、2回戦、3回戦のように救援でいく選択肢もあったのだろうが、村田はエースの織田に託したのだろう」

