「世界一捕手が阪神追撃の切り札になる」巨人の甲斐拓也の今季初安打が9回の劇的決勝アーチ…開幕2軍でも腐らなかった人間性と「ソフトバンクで競り合う野球をしてきた経験値が打たせた」
甲斐は守りでも持ち味を発揮した。
4回には先発の井上が、二死一塁から山野にライトフェンスを直撃する一撃を浴び、一塁走者の内山が一気にホームに突っ込んできた。平山から浦田と中継されてきたバックホームをキャッチした甲斐は回り込んできた内山に飛び込んでタッチ。内山のホームタッチも、甲斐のミットのタッチもどちらも届かなかった。通り過ぎた地点から再度ホームを狙ってきた内山を甲斐は今度は確実にアウトにした。池山監督がリクエストしたが判定は覆らなかった。
8回には、並木のタイムリーで同点に追いつかれ、なお一死満塁と広がったピンチで5番の増田珠を迎えた。甲斐は田中瑛のウイニングショットであるシュートを出し惜しみすることなく連続で要求。セカンドゴロに打ち取り「4-2-3」の併殺を成立させた。池田氏は「甲斐らしい一味違ったリードだった」と評価した。
2023年のWBCで優勝。2024年のオフに前監督である阿部氏の熱烈ラブコールを受けて5年総額15億円の大型契約でソフトバンクから巨人に移籍してきた甲斐だが、2年目の今季は、オープン戦の打率が1割台に終わり開幕1軍から外れた。阿部前監督は、岸田、大城、山瀬の3人を選んだ。甲斐は6月21日に初めて1軍昇格するも6試合で5打数ノーヒットで7月6日に再び2軍へ落とされた。岸田に代わり8月13日に再昇格し、これが今季3試合目のスタメンマスクだった。
スポーツ各紙の報道によると橋上監督代行は、決して腐ることなく来るべき日に備えて準備を怠ってこなかった甲斐を「そういう人間性があるから一流と呼ばれる。不平不満を持ってしまうといざという時に自分のものは出ない」と絶賛したという。
東京ドームでの8月11日からの首位攻防戦に3連敗。阪神にマジック点灯寸前の状況にまで追い詰められていたが、ゲーム差は、1.5まで縮まった。28日からは甲子園での阪神との首位攻防3連戦を控えている。
池田氏は「甲斐が阪神追撃の切り札になる」との見方をしている。
「ここまで巨人は森下、佐藤に打たれているが、マスクをかぶっていなかった甲斐がリードをすればデータにない配球で彼らを戸惑わせる可能性もあると思う。また下位にいる甲斐が意外性のあるバッティングで起点になるかもしれない。ある意味新戦力。阪神にすれば嫌な存在ですよ」
ただ甲子園に乗り込むまでにゲーム差を1.5をキープすることが重要。今日27日のヤクルト戦での3タテが阪神追撃の条件となる。巨人の先発はマタで、ヤクルトはプロ25年目、46歳の石川が今季初登板。
甲斐はヒーローインタビューの最後にファンにこう呼びかけた。
「選手もちろんファンも一緒に戦ってくれている。優勝目指して頑張りましょう」

