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なぜ従来のCSルールのままシンプルに「アドバンテージ2勝」としなかったのか…「興行優先の改定は理解できるが7戦戦ったチームは日本Sで不利」…今季から特定条件で「5勝先勝の7試合制」

 NPB(日本野球機構)は24日、今季からクライマックスシリーズのファイナルステージのルール改定を発表した。ファイナルステージで「1位球団とファーストステージ勝者のレギュラーシーズンのゲーム差が10ゲーム以上」、もしくは「ファーストステージ勝者のレギュラーシーズン勝率が5割未満」のいずれかの場合、1位球団に「アドバンテージ2勝」を与えて「5勝先勝の7試合制」で行われることになった。レギュラーシーズン優勝の価値を見直した改定だが、一方で懸念も残った。

 「1位球団とファーストS勝者のレギュラーシーズンのゲーム差が10ゲーム以上」、もしくは「ファーストS勝者のレギュラーシーズン勝率が5割未満」

 藤川阪神が昨年“史上最速”でリーグ優勝した際に2位の横浜DeNAと13ゲーム、3位の巨人と15ゲーム差が開いていたため「もしCSで阪神が負けて日本シリーズに出れないようなことになればレギュラーシーズン優勝の価値はどうなるのか?」という議論が再燃していた。しかも3位の巨人は、かろうじて貯金「1」というありさまだった。結果、ファーストSは、横浜DeNAが巨人に連勝、ファイナルSでは阪神がその横浜DeNAに3連勝で日本シリーズ進出を決めて、最悪の事態は避けることができたのだが、セ、パとNPBは、それらのCSの問題点を解消するために、セ、パ共にCSにおけるアグリーメントを改定した。
 ファーストSは従来通りに2勝先勝の3試合制で行われるが、もし「1位球団とファーストS勝者のレギュラーシーズンのゲーム差が10ゲーム以上」、もしくは「ファーストS勝者のレギュラーシーズン勝率が5割未満」のいずれかの場合に限り、ファイナルSは、1位球団に「2勝のアドバンテージ」が与えられ「5勝先勝の7試合制」で行われることになった。
 また引き分け試合が生じるか、中止などにより予備日を使用しても所定の試合を消化できず、両球団ともに5勝に到達しない場合は、「勝利数が多い球団を勝者とする(1位球団の2勝のアドバンテージを含む)」と定められた。
 ただ、これらのルールでファイナルSが実施されるのは、あくまでも、この特定条件に該当するチームがファーストSを勝ち上がってきた時のみ。それ以外のケースでは、従来通り1位球団に「1勝のアドバンテージ」を与えての「4勝先勝の6試合制」でファイナルSは行われる。
 8月24日の時点でセ・リーグは、1位が阪神で、2位の巨人は60勝51敗2分けで3.5ゲーム差。両チームに問題はないが、3位の横浜DeNAが50勝59敗3分けで勝率.459で、しかも阪神とのゲーム差が12.5ゲーム差あり、この特定条件に該当する。0.5ゲーム差で横浜DeNAと3位争いをしているヤクルトも50勝60敗1分けで勝率は5割を切っている。
 パ・リーグはソフトバンクにマジック24が点灯。2位西武とは5.5ゲーム差だが、3位の日ハムとは、8.5ゲーム差。新庄日ハムは63勝52敗1分けで勝率は.548あるが、ゲーム差が10以上になる可能性は残っている。
 現役時代に阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトで先発、抑えとして活躍し、パ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興氏は、今回の改定をこう評価した。
「文句なしの独走で優勝したチームが日本シリーズにいけなくなった場合に起きるレギュラーシーズンの価値を問う議論にひとつの歯止めをかけた。いわゆる下克上の起こりにくくしたルール改定は評価されていい。でも私の周囲では、アドバンテージ2勝で、5勝先勝の7試合制がどんなものかをちゃんと理解していない人が多い。7試合制と聞き、日本Sと同じで『4つ勝てばいい』『優勝チームはアドバンテージ2勝だから2つ勝てばいい』と誤解している人が結構いる。だが、優勝チームは3勝、下克上を狙うチームは5勝が必要。つまりこのルールは、優勝チームのアドバンテージが従来よりも1勝が増えると同時にファーストSを勝ち上がってきたチームにハンデを一つ負わせるということなのだ」

 

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