これも運命か「降りてくる…」大橋会長ヨネクラ先輩のガッツ石松さんのお別れ会の日に石井武志がWBAミニマム級王座決定戦に挑む…「相手はハートが弱い。1ラウンドで勝負をかけよ」
石井も試合のポイントを「どちらの距離で戦うかが1番大事」と口にしていた。
石井がフィジカルを生かして突っ込んで打撃戦に持ち込めれば、心も折れる。逆に距離を取られ、石井のプレスが空回りさせられるのが最悪のパターン。大橋会長は、それがわかっているだけに「1ラウンド勝負」と檄を飛ばしたのだ。
石井が世界を取れば大橋ジムでは川嶋、八重樫、井上兄弟、武居に続く6人目の世界王者となる。大橋会長がこだわるのは、現役時代に所属したヨネクラジムが達成した5人の世界王者越えだ。その中の一人が6月に亡くなったガッツ石松さんだった。
偶然にも世界戦のある9月2日に後楽園ホールでガッツさんの「お別れの会」が行われる。大橋会長は、そこで弔辞を読む予定になっている。終わり次第、すぐに横浜BUNTAIへ駆けつけるが、何か運命的なものを感じざるをえない。
「(ガッツさんが)降りてくる…米倉会長と共に…いいあれになるかも…」
3年前に88歳で他界した米倉健司会長は、大橋会長が、いまなお師と仰ぐ人物で、ジム経営の信念のようなものをいくつも継承している。
その日、2人が何かの力を石井に授けてくれるのか…それは元WBCライト級王者が、謳い文句にしてきたガッツ魂なのかもしれない。
3日前に今回石井が争うWBAタイトルを返上した松本流星が9月27日にWBO世界同級暫定王座決定戦に臨むことが発表された。
松本は石井の世界戦に「そんなに興味がわくとかはない。パートナーとして来てもらっていたし石井選手に頑張って欲しいというのはある。でも向こうが獲って僕も獲ってそれでチャンピオン同士と言えるのか。獲ってすぐの統一戦は面白くない。チャンピオンの価値を付けてからの方が面白いんじゃないですか」とコメントしていた。
その言葉を伝えた上で石井の気持ちを聞いた。
「正直、本当にこの試合しか見ていない。先のことは一切考えていないが、松本選手のタイトルが発表されたのはSNSで見た。スパーリングもたくさんやったので、お互い勝ち上がって、どこかで 1番いい時にやれるのが1番面白い」
そして、こう続けた。
「松本選手に限らず僕はミニマム級で自分より強いと言われてる選手全員とやりたいと思っている」
ミニマム最強と言われていたWBAスーパー&WBO同級王者のオスカル・コラーゾ(プエルトルコ)が、10月10日に2階級上のWBC&WBA世界フライ級王者のアントニオ・バルガス(米国)に挑戦することが決まり、ターゲットとしては、WBCのシャコルワ・クセ(南アフリカ)、IBFのペドロ・タドゥラン(フィリピン)2人に絞られるが、石井の志は高い。
元3階級制覇王者の八重樫トレーナーが「武居と同様。世界戦が決まってからの成長が凄い」と評価する石井が、9.2横浜BUNTAIに大橋ジムの新たな歴史の1ページを刻むだろう。

