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  • 「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)

「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”

 プロボクシングのスーパーフェザー級1000万円トーナメントの準決勝2試合が8日、後楽園で行われ、大本命の“ミライ☆モンスター”こと松本圭佑(27、大橋)が、メキシコからの逆輸入ボクサー、木谷陸(25、KG大和)と三者三様のドロー判定だったが、優勢点を付ける特別ルールで敗れる波乱があった。またもう1試合は元WBOアジアパシフィック同級王者の渡邊海(23、ライオンズ)が木村 蓮太朗(29、駿河男児)を2ラウンド36秒TKOで下して決勝へ駒を進めた。決勝は12月3日、後楽園で行われる。

 

 後楽園ホールのリングのひとつ下の階にある控室。
 セミファイナルに出場する今永虎雅がアップを始めたその横でパイプ椅子に座った松本が下を向き言葉を絞りだした。
「負けと一緒ですね。気負い過ぎました。前半(ポイントを)取っているかなと思っちゃった。甘かった。貪欲さが足らなかった」
 やがて涙声に変わった。
「悔しい。負けていないのに決勝にいけず賞金も手にはいらない。自分にがっかりですね。これじゃあ世界なんてまた夢の先ですね」
 判定は「77-75」「75-77」「76ー76」の三者三様のドロー。だが、トーナメントの特別ルールでドロー採点の場合、優勢点を片方につけることになっており、田中浩二氏は、木谷を支持していた。
 フジテレビ系列の番組名にちなんで別名、ミライ☆モンスターと呼ばれていた松本は、大本命とされていたトーナメントを準決勝で敗退することになった。
 前半は松本がポイントでリードしていた。ハイガードで前に出てくる木谷を多彩なジャブで牽制し、ワンツー、ボディワンツーを打ち込み、ロープを背にしても、右のカウンターをヒットさせた。強烈な左ボディでつめてくる木谷をステップでポジションを変え空回りさせていた。ジャッジペーパーをチェックすると5ラウンドまでの途中採点は「50-45」、「49―46」「48―47」で三者が共に松本を支持している。
 分岐点となったのは5ラウンドの幻のダウンシーンだった。至近距離で、松本が放った右のショートフックで木谷が両ひざをつき、一度はダウンのカウントが開始された。だが、木谷が後頭部への打撃をアピール、陣営からも「後頭部だ!」と大きな声が何度も飛び、レフェリーはカウントを止め、ダウンを取り消しスリップダウンの判定に変えたのだ。有効な打撃によるダウンとは認めなかった。
「言い訳ですけど、あれがダウンだったらなと。マジか?という気持ちになった。ダウンでもよかったのに…しょうがない」
 松本は納得がいかない。
 一方の木谷は「(ダウンかと)ヒヤっとした」と、このシーンを振り返る。
 元日本&OPBF東洋太平洋フェザー級王者で世界挑戦経験が2度ある松本の父で、トレーナーの好二氏は、「ああやって間が空くと集中力が切れる。嫌な間。そこからあまりよくなくなってきた。それまでは想定内だったが…しょうがない」
 このラウンドに松本は強烈な右のカウンターをクリーンヒットしているが、逆に木谷の心にスイッチを入れることになった。
「一瞬、効いたかなと思ったが、最後まで倒される感じはなかった。あそこを気にしたらいけない。気にせずいってやろう」
 ここまで木谷は強引にはプレスをかけず、松本の得意な中間距離で戦った。陣営からは「まだいくな」の声が飛んでいた。
「徐々につめて最後に潰す」という作戦だった。
 木谷は6ラウンドからプレスを強めた。
「来い!」と挑発して右手をグルグル回した。ボディ、右アッパーからの左フックを被弾した松本の動きが止まる。

 

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