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  • 「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)

「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”

 木谷は、異色のメキシコからの逆輸入ボクサーだ。
「特別に松本対策をしたわけじゃない。誰とやってもあれがオレのメキシコスタイル」
 大阪府立泉尾高を卒業すると同時に単身メキシコへ渡った。強豪校ではなく、アマ時代の成績はインターハイ3位、国体準優勝止まりで優勝経験はなかった。アマエリートとの差を埋めるため、高校時代の恩師の薦めもあり、メキシコのメキシコシティのパンチョ・ロサレスジムで、トレーナー兼プロモーターの古川久俊氏の指導を受けて「ティグレ(虎)」のニックネームでプロデビューした。
 大阪出身のため、阪神タイガースの虎と、漫画「はじめの一歩」に登場する千堂武士の「浪速の虎」の呼び名にちなんだ。千堂がメキシコに乗り込みアルフレッド・ゴンサレスを倒した姿に自分を重ねたという。
 11戦8勝(3KO)3敗の成績を残すも「1週間前に試合が突然中止になったり、満足のいくペースで試合が組まれなくなった。今この大事な時期にそれは時間の無駄。世界との距離を埋められなくなる」と、帰国を決意。「縁のあった」KG大和に所属し、いきなり2連勝で現在日本ランキング2位まで浮上してきていた。
 ハイガードプレスのスタイルは、そのメキシコで会得した。年末にサウジアラビアで、スーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(大橋)と対戦したアラン・ピカソ(メキシコ)や、この日、リングサイドで松本を応援していた井上ともスパーリングを経験している。
 モニターのない展示会場に設けられた控室での囲み取材を受けている最中に、スマホで、観戦中の陣営のスタッフにもうひとつの準決勝で渡邉が木村に2ラウンドTKO勝利したことを教えられた。
「やっぱ強いな。予想通りです。どっちともスパーしたことあるんで相性的に渡邉が勝つと思っていた。僕とも相性はいい。松本と近いスタイル。僕が追って向こうが足を使う展開になる。絶対に優勝します」
 木谷は、渡邉と計30ラウンド以上のスパー経験があり、この5月のトーナメント準々決勝前にも6ラウンドを2度行っていて、手の内もその強さもわかっているという。
 ただ片渕会長は「練習で見せないひらめきがある」と警戒。渡邉も「松本選手は身長が高くて距離も長くてオレに似ている。それを潰したんだからやばい(笑)、木谷選手はパンチもある。オレのリズムを木谷選手は知っているので変えていく。別人の自分にならないとね」と不気味な発言を残していた。決勝戦は12月3日の後楽園ホール。優勝賞金の1000万円が「見えてきた」と木谷はニヤッと笑った。

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