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  • 「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)
松本圭佑(左)と木谷陸(右)の準決勝はドロー判定も優勢点で木谷が決勝へ(写真・山口裕朗)

「世界なんて夢の先」なぜ“ミラモン”松本圭佑は“逆輸入ボクサー”木谷陸とドローに終わり優勢点で涙をのんだのか…幻ダウンが分岐点…メキシコ仕込みハイプレスをはねのけられなかった“気負い”

 もう完全に木谷ペース。左ボディを何発も食い込ませ、頭をつけあう距離になると、アッパーが黙っていない。脅威の3連発もあった。
 松本も反撃を試みるが、木谷はひるまない。松本は足を使って、鬼気迫るインファイトから逃れるしかなくなっていた。
「(木谷が前へ出てくることは)想定していたがメンタルですね。負けれないと…昔からダメなところ。気負いすぎて力が入ってバテてきちゃう。ボディはそこまで効かなかったが、見栄えや歓声で相手を勢いづけちゃう。それが焦りとなり、力強いパンチで止めてやろうとなる悪循環。ひるまずがんがん自信満々に来られると、全部を上回ってやろうという気持ちになって、変に力んで付き合ってしまう」
 それが松本の冷静な敗因分析だった。
 筆者の採点はドロー。優勢は後半に松本に強いダメージを与えた木谷だと思った。
 昨年3月にメインに抜擢されながら、前夜の水抜きがうまくいかず、救急車で搬送されて計量失格となり1年間のライセンス停止処分を受けた。フェザー級からスーパーフェザー級に上げた松本にとって今回のトーナメントは、最高の復活の舞台だった。「負けたら引退」の覚悟で5月の準々決勝に臨み、元WBCアジアスーパーフェザー級王者の龍王(角海老宝石)を3回TKOに下して復活星をあげた。一方で大橋ジムからは次から次へとアマエリートがデビュー。松本は前日計量の後に今置かれた立場を「背水の陣」と称していた。
 負けてはいない。
 だが、父は「この子がどうしてもまだやるのなら助けなきゃいけない。親としては心配でしょうがない」と進退を問うた。
 キャリア初のドローとなった松本は「もっと強くなんなんといけない。もっともっと…」と前を向き、現役続行を示唆した。ただ今現在IBF世界同級15位にランキングされているが、夢の世界挑戦への道程はかなりの軌道修正を余儀なくされることになる。
 一方の「後半が良かったんで勝ったと思った」という木谷はドローと聞いた瞬間納得のいかない表情を浮かべていた。
「嬉しさ8割、悔しさ2割。しっかりと勝って決勝に行きたかったけど、優勢を取れただけ幸い。今冷静に振り返ったら負けはないけどドローならあるかなと。始めはジャブ、ボディ、最後はアッパー。これは決めていた。作戦通り。本当は倒し切るところまでいきたかったが、やっぱり強かった。向こうも(最後まで)パンチが生きていたんで、警戒しつつ、見栄えを意識してアッパーでダウンをとる予定だったが、打たれ強かった」
 松本へのリスペクトを伝えつつ、試合前は「ミラモンの脇役」とされていたことへの秘めたる思いを明かす。
「松本圭佑復帰のためのトーナメントと言われていたが、僕からすれば、メキシコ帰りの木谷陸の強さを証明するトーナメントだと思っていた。それを着実に見せれている。あと一発。絶対に獲る」

 

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