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ボクシング“アマ13冠“の超ホープの堤駿斗(22、志成)がB級のプロテストを受験し非凡さをアピールした(写真・山口裕朗)
ボクシング“アマ13冠“の超ホープの堤駿斗(22、志成)がB級のプロテストを受験し非凡さをアピールした(写真・山口裕朗)

未来の世界王者候補の超ホープがベール脱ぐ!アマボクシング界の“最高傑作”堤駿斗がプロテストで披露した鮮烈のパンチとは?

 “アマ13冠“の超ホープ、堤駿斗(22、志成)が26日、東京・後楽園ホールでB級のプロテストを受験し 同門の元WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の森武蔵(22)との3ラウンドのスパーリングで鮮烈のカウンターの右アッパーやサイドステップを交えての高速コンビネーションなど、逸材にふさわしいスピード&テクニックを披露した。プロ転向時に宣言していたパリ五輪の実施される2024年までに世界王者を奪取する構想も夢ではないのかもしれない。プロテストの合格発表は今日27日に行われ、陣営では外国人ボクサーを招聘してのA級デビュー(8回戦)を計画している。

「プロを意識。良かったとは言えないが最悪は免れた」

 これがまだプロライセンスのないボクサーなのか。後楽園ホールに衝撃が走った。「あまり練習しない」という不慣れなサウスポーの元WBO王者の森武蔵に対して慎重に距離を取り、右のボディストレートで様子を見ながら仕掛けをさばいていた堤が、鮮烈の右アッパーカットをショートカウンターで炸裂させたのだ。おそらく森武蔵の死角だったのだろう。 「狙っていた。低く低く来るタイプだったので、そのタイミングに合わせようと」  わずか数秒で相手のスキを察知したのだ。  さらに左フックのカウンターを狙い、ノーモーションの右ストレートで森武蔵の出足を止めた。新型コロナ対策でメディアは、バルコニーからの取材だったが、ラウンド間に、その様子をチラッと見る余裕も。

「リングに上がって気づいたんですが、記者さんがいっぱい見てくださっている。やばい。いいところを見せないと」

 2ラウンドに入るとリズムの乗ったワンツーで攻める。森武蔵が、一瞬、息をつくとサイドにポジションをめまぐるしく変えながら、高速コンビネーション。最終ラウンドには、互いにフェイントを使いながらカウンターをうかがう“駆け引き”があり、互いに頭をつけての激しい接近戦もあった。インファイトも得意な森武蔵に負けじと応戦。森武蔵の右フックを浴びる場面もあったが、サイドに動くステップワークで翻弄してプロテスト終了のゴングを聞いた。攻めてよし、守ってよし。とにかく距離感が抜群で、まるでプロで何年もやってきたようなメリハリの効いた攻防を披露したのである。

 A級デビュー(8回戦)の特例をJBCに申請する方向で、その認定をもらうためには王者クラスとのスパーが必要だったため、今回は同門の世界を狙う森武蔵が相手を務めたが、互角以上の内容だった。

「ちょっと固くなった。もう少し上げていかないといけない内容。(相手の森武蔵が)僕と似た感じで、ガツガツ前へいくんじゃなく、タイミング、ポジションを見て攻撃してくるタイプなので、リズムや距離をみつつの展開になった。技術的なところを見せたかった。力ずくというより、駆け引きで有利に運ぶ部分。プロテストなので防御意識、基礎的なものを見てもらわないといけなかったので慎重に進めた。プロを意識しつつ良かったとは言えないが最悪の結果は免れたかな。バカすか(パンチを)もらって終わるのが最悪だったから」

 堤は納得していなかった。

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