「北朝鮮の選手は金正恩総書記と会うのが困難になった」なでしこジャパンが1m80のPK戦用”秘密兵器GK”をものともせず5本連続成功で大会V3…「混乱に陥っていた」韓国メディア指摘も
愛知・名古屋アジア競技大会のサッカー女子決勝が2日、静岡県袋井市のエコパスタジアムで行われ日本女子代表なでしこジャパンは北朝鮮女子代表を2-2からのPK戦を5-3で破り3大会連続の金メダルを獲得した。なでしこジャパンが北朝鮮と中国女子代表を抜いて優勝回数を大会史上最多の「4」に伸ばした。北朝鮮はPK戦で秘密兵器の1m80の長身GKを投入するも敗れ、韓国メディアは、サッカーの発展を後押ししてきた北朝鮮の金正恩総書記(42)の存在を挙げて「彼女達は総書記と会うのが困難になった」と伝えた。
最後に笑ったのは日本
対照的な表情が表彰台に並んだ。
国歌「君が代」が流れる中で、センターポールに掲揚される日の丸を笑顔で見上げるなでしこジャパンの選手たちを、左側に並んでいた北朝鮮の選手たちは視界に入れようともしない。延長戦を含めた120分間を終えて2-2で決着がつかず、もつれ込んだPK戦をなでしこが5-3で制した死闘の余韻が残るエコパスタジアムで行われた表彰式で、銀メダリストは最後まで悲壮感を漂わせた。
3大会連続の金メダル獲得を目指す日本と、3大会ぶりの頂点を狙う北朝鮮。ともに3度の優勝回数で並ぶ両国による2大会連続5度目の頂上決戦で、PK戦突入の気配が漂っていた延長後半14分に北朝鮮のパク・ソンジン監督が突然動いた。
守護神ユ・ソングムに代えてチェ・ウンギョンの投入。180cmの長身を武器とする21歳の控えキーパーは、明らかにPK戦専用の秘密兵器だった。しかし、先攻の日本は1番手の宝田沙織(セレッソ大阪ヤンマーレディース)から5人全員が成功。蹴ったコースは5人中3本はチェ・ウンギョンの逆を突いていた。
その間になでしこの守護神で、今大会で唯一の海外組となる大場朱羽(レンジャーズ・ウィメン)が北朝鮮の3人目、ジョン・クムのPKを完璧にセーブ。5人目のキッカーが蹴らずに終戦を迎えた北朝鮮を、韓国メディアの『OSEN』は「北朝鮮女子代表チームは完全に混乱に陥っていた」と次のように伝えた。
「北朝鮮がPK戦に備えてキーパーを交代させた中で、最後に笑ったのは日本だった。北朝鮮の3人目のキッカー、ジョン・クムが放ったPKのコースを完全に読み切り、完璧に弾き返した日本の大場朱羽とは対照的に、北朝鮮のチェ・ウンギョンがひとつも方向性を読み切れず、5本すべてを決められた光景は見ていて痛ましかった」
1990年の北京大会からアジア競技大会の正式種目に採用されたサッカー女子は、当時の世界的な強豪国だった中国がまず3連覇を達成。2002年の釜山大会以降は北朝鮮と日本の二強時代に移った中で、前回2023年の杭州大会を終えた時点で、中国、北朝鮮、日本の3カ国が優勝回数「3」で並んでいた。
杭州大会では日本が決勝史上で最多得点、かつ最多得点差となる4-1で北朝鮮に快勝している。その中で点差がついてから北朝鮮が危険なラフプレーを連発。さらにキーパーを後半途中で代えた采配は「懲罰交代」として批判された。実際、怪我でもないのに交代させられたキーパーはベンチで涙を流している。
今回も前半終了間際にキャッチ体勢に入った大場が空中で体当たりされ、後半の立ち上がりには日本の先制ゴールを決めていたMF上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)が相手の強引な接触プレーで頭を強打。試合が一時中断している。
それでもともにイエローカードの対象とはならず、後半開始早々に北朝鮮が同点に追いついてからは球際の攻防における激しさや前線からの積極果敢なプレス、さらにロングボールを多用する戦法で北朝鮮が優位に立ち続けた。後半24分にはロングボールを起点とする攻撃から逆転ゴールを奪っている。

