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中日の根尾が広島戦で二刀流デビュー。150キロをマークして1イニングを1安打無失点に抑えた(資料写真・黒田史夫)
中日の根尾が広島戦で二刀流デビュー。150キロをマークして1イニングを1安打無失点に抑えた(資料写真・黒田史夫)

中日・根尾の150キロ無失点の衝撃デビューにも賛否…”二刀流”への本格挑戦はありか、なしか?!

叩きつけられた打球は根尾の足元を襲い、出したグラブをすり抜けたが、ベースの後ろに回りこんでいたセカンドの土田がさばき、無失点で投手デビューを飾った。ほとんど表情を変えなかった根尾はベンチに帰って声をかけられると少しほっとしたように頬を緩めた。根尾は、そのまま「4番・投手」として残り、9回、先頭打者としてケムナ誠と対戦して一塁ゴロに倒れたが、“二刀流デビュー“ともなった。  各社の報道によると、試合後、根尾は「素直に抑えられてうれしいです。どんどんストライクを取っていこうと思いました」とコメントした。

 根尾は、8日のウエスタン・リーグの阪神戦でも「2番・遊撃」で先発出場して9回に5番手で登板して、打者5人に20球を投げて3安打を浴びて1失点したが、150キロをマークして話題となっていた。  中日での野手登録選手の登板は1962年のニューク以来60年ぶりの珍事だそうだが、最近では2020年8月6日の甲子園での阪神ー巨人戦で、巨人の原監督が内野手の増田大を0-11と大量リードされた8回裏1死から登板させていた。メジャーリーグでは、野手の登板はそう珍しくなく、イチローも現在ヤクルトの青木もアストロズ時代にマウンドに上がったことがある。

 今月10日にエンゼルスのデトマーズがレイズ戦でノーヒットノーランを達成したゲームでは、8点差がついていたため、8回から外野手のフィリップスが登板し、まるで打撃投手のようなスローボールだったため、大谷がフェン直の二塁打を放ち、右打ちのレンドンが左打席でホームランを打つなどしたが、大阪桐蔭高校時代に春夏連覇して優勝投手にもなった根尾の15球は、急造投手のそれとはモノが違った。  阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトで、先発、抑え投手として活躍した評論家の池田親興氏は、こう評価した。

「ブルペンには何度か入ったと報道で見たが、おそらく、そう本格的な投手の練習をせずに、ほぼ高校時代の経験だけで軽く投げて150キロを出してストライクも苦労せずにとれる。凄い素質と才能だし可能性を感じる。ストレートとスライダーの2種類しかないなかで、プロの一線級の打者がストレート1本に絞り、そう厳しいコースを突いたわけではないのだから坂倉にヒットを打たれたのも当然。だが、ボールの質も決して棒球というわけではない。今後、投手に専念して球種が増え、配球などを考えるようになれば、どうなるかは楽しみではある。ただ、今の現状をプロの投手のレベルで評価すれば、平均以上とは言えない」

 

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