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12・13有明で井上尚弥とバトラー(背景)との4団体統一戦がついに決定(写真・山口裕朗)
12・13有明で井上尚弥とバトラー(背景)との4団体統一戦がついに決定(写真・山口裕朗)

井上尚弥は12・13有明で正式決定したバトラーとの4団体統一戦で歴史を変えることができるのか…「圧倒的な力の差を見せる」

 対戦相手のバトラーは36戦34勝(15KO)2敗の技巧派ボクサー。

 2014年にはIBF同級王座を獲得している。今年4月に当時のWBO王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)に指名試合で挑戦予定だったが、カシメロが減量にサウナを使ったことが発覚して英国のルール違反で失格となり、急遽、ジョナス・スルタン(フィリピン)と同王座の暫定王座決定戦を行い判定勝利。その後、カシメロのベルトが剥奪され正規王者に昇格した。井上はバトラーの印象について「すべてのレベルにおいてまとまりがあり隙のない選手。自分のボクシングを徹底してジャブをついてポイントをとってくる。無理をせず、危険なポジションにいないとか、そういうことができる選手」と語り、「バトラーも4つのベルトがかかっているんだから過去一番のモチベーションで来ると思う」という。

 ただ恐れるようなパンチ力やスピードはない。過去に敗戦は2つで、2015年にIBFスーパーフライ級王座決定戦でゾラニ・テテ(南アフリカ)にTKO負けし、井上がWBSSの準決勝(グラスゴー)で2ラウンドに倒したエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に2018年のIBF王座決定戦で判定負けするなど高いレベルのボクサーには勝てていない。

 おそらく井上の敵ではないだろう。焦点は何ラウンドに倒すか?になってくるが、井上は、そういう“”絶対有利説”に耳を貸さない。

「これはいつも同じ。周りは有利だというが僕はそんな気持ちで(試合の準備に)入っていかない。相手を過大評価して最悪のケースを想定して練習に入る」

 “過大評価”のひとつが、フットワークを使われ、距離を保たれ空回りさせられること。

「変則的な動きで来ることはほぼないと想定しているけれど、倒されないボクシングを徹底されたときにどう展開していくか」

 考えられる、あらゆるパターンをイメージした上で井上は「判定まではいかない。少しずつ少しずつ自分のボクシングで弱らせていき、仕留めるイメージを持っている。圧倒的な力の差を見せて4団体統一を成し遂げたい」と宣言した。

 ただし、ここが最終的なゴールではない。

「(4団体王者の)イメージは湧かない。ここを高い目標として定めているわけではなく、取っても実感はない。次があるでしょう、という感じで求めていくと思う。バンタムの最終章だけどスーパーバンタムへのスタートでもある。まだまだ上を目指している。ここはゴールではなく通過点。この先のキャリアにむけての一戦だと思っている」

 

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