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全英女子OP最終日に渋野日向子は首位に1打差まで迫ったが惜しくも3位に終わる。優勝はプレーオフを制した南アのブハイ(写真・AP/アフロ)
全英女子OP最終日に渋野日向子は首位に1打差まで迫ったが惜しくも3位に終わる。優勝はプレーオフを制した南アのブハイ(写真・AP/アフロ)

全英女子OPで首位に1打差と迫る激闘を演じて3位の渋野日向子は何を語りなぜ涙したのか…「忘れていたものを思い出せた」

17番(パー5、544ヤード)では乾坤一擲の2オンに成功。5番(パー5、518ヤード)に続くイーグルを奪えば、一気に2人に並ぶ場面を作った。しかし、勝負をかけたはずのロングパットを打ち切れず、悔しさが入り混じったバーディーとなった。

 バーディーだけを狙った、最難関の最終18番(パー4、426ヤード)。ティショットを右ラフに入れたピンチで、残り174ヤードの第2打を果敢に狙った。果たして、グリーンをとらえたボールはラフから打ったがゆえにスピンがかからず、無情にもグリーンの奥へ。チップインを狙ったアプローチも、ピンの左側約50cmを通過していった。

 勝負事に仮定の話は禁物だが、どうしても想像してしまう。もし14番をボギーでしのいでいたらどうなったのか、と。渋野自身も胸中に抱いた悔しさを涙に変えながら必死に前を向いて、ポジティブな要素を言葉に変換し続けた。

「風があるなかでもショットの縦距離が合っている場面が多々ありましたし、そこに関してはすごく自信を持ってこれからもやっていけたらいいなと。風が弱いときにどうしても力んでしまうとか、最終組ということでかなり曲げてしまった場面もありましたけど、ちょっとずつものにしていけたらいいかなと思います」

 6月23日開幕のKPMG全米女子プロ選手権で予選を通過するも、3日目のスタートを前に体調不良が限界に達し、プロになって初めて棄権した。

 舞台をヨーロッパに移したアメリカ女子ツアーでも2戦連続で予選落ち。7月21日開幕のメジャー第4戦、アムンディ・エビアン選手権では通算9オーバーの126位タイと、自身より下には棄権者を含めてわずか3人というどん底を味わわされた。

 前週の7月28日に開幕したスコットランド女子オープンも2日間で終えると、古江彩佳(22、富士通)が初優勝した日曜日に今回の会場となるミュアフィールドへ入った。歴代優勝者の写真が飾られ、専用の駐車スペースも用意されている光景を目の当たりにして心を奮い立たせた。私は優勝者の一人なんだ、と。  4日間を振り返れば、6アンダーで単独首位発進した初日から一転して、2日目は2オーバーと崩れかけた。7位タイで決勝進出を決めながら、予選落ちという言葉が脳裏をよぎったと苦笑している。自信のなさが恐怖心を生み出していた。

 プレッシャーから解放された3日目は、5アンダーと猛チャージをかけて2位タイへ再浮上。ブハイもチョン・インジもバーディーを奪えなかった、最終日のサンデーバックナインをも必死で乗り越えた先に一条の光が見えてきた。

 

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