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発表されたW杯メンバー26人
発表されたW杯メンバー26人

城氏が森保JのW杯選考を総括…「大迫の落選に疑問。26人から見えた超現実主義の守備的サッカー選択は正解なのか」

 一方で次の4年後を見据えた“育成枠”のような選出はなかった。
 GKに21歳の谷を外して、4度目のW杯出場となる39歳の川島を選んだことも、ある意味、サプライズだった。経験豊富でリーダーシップのある川島にチームのまとめ役を期待してのものなのだろうが、権田もロシアW杯を経験している33歳。厳しい意見になるが果たして川島は必要だっただろうか。
 繰り返すが中盤から前でスタメンが予想されるメンバーの中でW杯経験者は遠藤一人だけ。現時点で故障を持っている選手が板倉、守田、田中、久保、浅野の5人もいる。会見でも森保監督は、メディカルスタッフの意見を聞き、間に合うと判断したと語っていたが、不安要素であることは間違いない。
 超守備的路線を選択したこのチームのストロングポイントは、もちろん守備力と運動量。吉田―冨安の最終ラインを軸とした強固な守りから、中盤、前線でプレスをかけてボールを奪ってのショートカウンター、サイドからの仕掛けでワンチャンスをモノにしようという戦略が武器になる。
 課題は得点力。おそらく「4-2-3-1」のワントップは、故障の回復次第だろうが、森保チルドレンでもある浅野を使い、2列目は、左から久保、鎌田、伊東で構成することになると予想する。彼らの連係で、どう攻撃機会を演出してゴールを決めきることができるか。まだ隠しているのか、使えていないのか不明だが、ここまで得点機会がほとんどなかったセットプレー対策となるだろう。
 では、このメンバーでベスト16進出は果たせるのか。
 正直に書けば5分5分としか言えない。これを6-4あるいは、7-3に高めるのは、ここから本番までのチーム調整と、三笘、相馬、堂安などの途中出場のカードを森保監督がどう切るかの采配ということになる。今回はドイツ、コスタリカ、スペインの全試合をベストメンバーで戦わねばならなくなる。その中でチームの生命線とも言える吉田―冨安から遠藤―守田―鎌田とつなぐ、センターラインのパフォーマンスを最大限に発揮できる状態を3試合キープできるかどうかが重要になると見ている。

 現時点でのシミュレーションをすると、初戦のドイツ戦では、最低でも勝ち点1は奪いたい。ドイツは前大会で韓国にグループリーグの最終戦で敗れたことが響き、グループリーグ敗退という屈辱を味わっているので、相当の準備をして臨んでくるだろう。
 ただGKノイアー、MFミュラーらの主力の故障が伝えられ、ベストメンバーが組めるかが不明で、日本にチャンスはある。森保監督が選択した守備的サッカーからのカウンター攻撃や相手のミスからワンチャンスをモノにできるかどうか。

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