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レフェリーが試合をストップした瞬間、重岡はコーナーに座りこみ、悔し泣きした(©︎3150FIGHT)
レフェリーが試合をストップした瞬間、重岡はコーナーに座りこみ、悔し泣きした(©︎3150FIGHT)

なぜ亀田興毅氏プロデュースの世界戦が罵声飛び交う“Wの悲劇”に終わったのか…”無敗の男”重岡銀次朗が疑惑の無判定試合に号泣

 試合後のジャッジペーパーを見ると、1ラウンドは3者が王者に付けていたが、2ラウンドは逆に3者が重岡を支持。3ラウンドにも左ボディを効かせ、問題のバッティングが起きる前には、腰を折ったバラダレスが、苦し紛れにクリンチに逃げるシーンも見られた。
 亀田氏は、「自分から頭でいって、しかもアゴにあたって耳が聞こえないっておかしいわ。その前のボディが効いていた。あれはギブアップ。渡辺会長が、言うように棄権で3ラウンドTKO勝ちですよ」と主張した。
 亀田氏も、現役時代に、ファン・ランダエダ(ベネズエラ)とのWBA世界ライトフライ級タイトルマッチで「疑惑の判定」と騒がれたことがあったが、これこそ本当の「疑惑の判定」だろう。
 試合ストップの権限は、レフェリーにあるが、王者を椅子に座らせて、5分間の休憩を与えたのちに、裁定をスーパーバイザーが預かって冷静な判断を下すべきではなかったか。不利な展開になった選手が偶然に見えるバッティングを仕掛けて「もう試合はできない」という本人の訴えだけが通ってしまってはタイトルマッチは成立しなくなる。今日7日には、スーパーバイザー、JBC、両陣営のプロモーターが出席して会見が開かれ、正式な見解説明があるというが、納得がいかないのは重岡だろう。
「一瞬のことすぎて(バッティングが)故意かどうかはわからないが、3ラウンド以内とかを考えていたのかもしれない。なんでもありなんですかね?心は折れていたし戦意は喪失していたと思う」
 重岡は、すべてが王者の作戦だったのではないか?と勘繰った。
 もしこれが4ラウンド終了以降に起きていれば、そのラウンドを含む判定で決着がつくところだった。
 会見でファンへのメッセージを求められたとき、重岡の怒りは、再び涙に変わり、話の途中で、しばし絶句した。
「熊本からわざわざ(多くの応援団が)来てくれてたんです…それだけがマジ悔しいです。みんなを喜ばせたくて、みんなために勝ちたかった」  
 熊本の開新高校で5冠を達成しアマ戦績は56勝1敗。1敗は兄との兄弟対決を拒否しての不戦敗で事実上の“無敗”。2018年にプロ転向してからも無敗で通し、負けない理由を「運と努力」と評していた。
「運がいいんで自分だけはこういう経験せずに勝ち続けると思っていた」
 ダイレクトリマッチの可能性をスーパーバイザーが口にしたことを伝えると「できるだけ早くやりたい」と言った。
「僕は負けたと思っていない。勝てた試合。チャンピオンになる日が遅くなっただけ。今日の試合は自信になった。この(心の)火を絶やさず。チャンプなるまで自分との戦いですね」
 亀田氏は「短いラウンドだけど強さを証明した」と重岡を励まして「でかい舞台を用意する。4月の興行のカードはまだ白紙だし、可能ならそこでできるのがベスト」と約束。4月16日に代々木第二体育館で開催される次回興行で、そのリマッチを行いたいという意向を明かした。
 一方「病院に行く」と主催者側に伝えて取材に応じなかったメキシコ人王者はトレーナーの肩を借りて足を引きずりながら会場を去った。

 

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