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ブライトンの三笘薫がボーンマス戦の後半42分に決勝ゴールをヘッドで決めた。3戦連発で決勝ゴールは2連続の活躍(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘薫がボーンマス戦の後半42分に決勝ゴールをヘッドで決めた。3戦連発で決勝ゴールは2連続の活躍(写真・ロイター/アフロ)

なぜ三笘薫はヘッドで決勝ゴールを決めた後に英語で「自分自身に驚いている」と語ったのか…3戦連発で2連続決勝得点の”無双状態”

 

  プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫(25)がまたもやヒーローになった。ホームのアメックススタジアムにボーンマスを迎えた、4日(日本時間5日未明)のプレミアリーグ第22節の後半42分に、0-0の均衡を破る値千金の決勝ゴールを不得手と公言するヘディングシュートで決めた。今年に入って無敗をキープするチームを、6位に押し上げる原動力になった三笘は、これで直近の公式戦7試合で3戦連続で5ゴールをゲット。無双状態がいよいよ止まらなくなってきた。

 指揮官は「いつでも得点を決められる選手。だから最後まで交代させなかった」

 

 劇的な勝利の余韻が残るなかで、英語で応じた試合終了直後のヒーローインタビュー。三笘は「自分自身に驚いている」と、ちょっぴりはにかみながら第一声を切り出した。
「なぜなら、僕はヘディングが得意じゃないので」
 歓喜のシーンは、スコアレスドローの気配が漂ってきた後半42分に訪れた。
 主戦場の左サイドでパスを託された三笘が、すかさず中へのカットインを仕掛けた。対するボーンマスも3人がかりで必死に行く手をふさぐ。三笘は無謀なドリブル突破を避け、やや後方にいたMFパスカル・グロスにボールを預け、自らはゴール前へ侵入していった。
 もっとも、この時点で三笘はオフサイドポジションにいた。そして三笘と入れ代わるように左サイドへ開いた、エクアドル代表MFジェレミー・サルミエントへボールがわたる間に後方へ下がり、首を振りながらボーンマスの守備陣形を確認した。
 次の瞬間、三笘の非凡な得点能力が発揮された。
 ボーンマスの両センターバック、クリス・メファムとマルコス・セネシの間に大きなスペースが生じていた。しかも相手のほぼすべての選手の視線が、左サイドから右足のインスイングでクロスを上げようとしていたサルミエントの動きに注がれていた。
 再び相手ゴール前のニアサイドへ、メファムとセネシの間を目がけて走り込んでいった三笘がクロスに合わせて宙を舞う。不得手と公言しているヘディングシュートの体勢に入りながら、それでも上半身を決して動かさない。インタビューで三笘はこう振り返っている。
「ジェレミー(・サルミエント)がすごくいいボールをあげてくれたので、僕はボールをミートすることだけにフォーカスしていた。それがよかったと思っています」
 三笘の額を介してボールは左ポスト付近へとコースを変える。ミートしただけなので確かに威力には欠けた。それでも山なりながら、正確にゴール左上へ近づいていく。それまで何度も好守を演じていた元ブラジル代表のGKネトが、体勢をやや崩しながら飛びついた。しかし、必死に伸ばした右手の先をかすめたボールは、ゆるやかにゴールへ吸い込まれていった。
 イギリスの日刊紙『THE Sun』は、タイトルに「サムライのような動きでシーガルズ(ブライトンの愛称)をヨーロッパの舞台へと近づけた」と打った速報で三笘を称賛。記事のなかで、ブライトンを率いるイタリア人のロベルト・デ・ゼルビ監督のコメントを紹介している。
「三笘はいつでもゴールを決められる選手だ。この試合でもそうなると信じていたので、私は最後まで絶対に彼を交代させなかった」

 

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