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ノムさんの“右腕”が選ぶ2023年夏の甲子園で光ったプロで見たい逸材
ノムさんの“右腕”が選ぶ2023年夏の甲子園で光ったプロで見たい逸材

夏の甲子園ドラフト候補「プロで見たい」11人の逸材…元ヤクルト編成部長のノムさん“右腕”が選ぶ

 ショートにも好素材が揃った。松井氏が「魅力を感じた」としたのは上田西の横山聖哉だ。1m80、82㎏の体格で、高校通算30発、投手として149キロをマークしたこともある。
「強肩に加えて一発の馬力がある。スケールと将来性を感じるショートだ。横山が攻撃型ならば、仙台育英で2番を任されている山田脩也はスタイルが違う守備型のショート。山田にはまとまりがあるが、打撃でインパクトがなかった」
 捕手では意外な名前をリストアップした。ベスト8進出を果たし旋風を巻き起こした、おかやま山陽の4番を任されていた土井研照だ。打撃は、4試合で打率.214、2打点、3三振とふるわなかったが、松井氏は「フットワークと捕ってから二塁へ送球するまでのスローイングの速さは群を抜いていた。まだ線が細く、バッティングに課題もあり時間のかかる選手ではあるが、捕手のセンスに光るものがあった」と、その将来性を買った。
 仙台育英の司令塔的存在で5番を打つ尾形樹人も注目の捕手。打率.474、2本塁打、7打点の成績を残して決勝戦まで打線を引っ張ってきた。Uー18日本代表にも選出された。
「よく打者を見ている。高橋、湯田が高めのボールで空振りをうまく取っているが、これは尾形のリードのおかげ。インサイドワークができるし、肩もそこそこ。打撃のパンチ力もある。ただ昨年、中日にドラフト4位指名された聖光学院の山浅龍之介と比較すると、尾形は高いレベルの中でまとまっているが、とんがった部分が足りない。プロスカウトは高校生の捕手は完成度よりも将来性を重要視する」
 投手では目を引く逸材が多かった。
 松井氏は“150キロトリオ”として前評判の高かった仙台育英の高橋、湯田、仁田の3人のうち高橋、湯田の2人、そして履正社の1m80の左腕、福田幸之介の3人をAランクとした。
 高橋はここまで4試合に登板(先発は1試合)して防御率3.86で最速は147キロ。湯田は5試合(先発は3試合)に登板して防御率2.53、今大会出場投手で最速となる151キロをマークしている。
「ストレートの質、ポテンシャル、スケールの大きさで言えば高橋が一番。打者の手元で伸びてくるストレートの体感は今大会で最も速いのではないか。1m83の長身から投じるボールには角度があり、同じ腕の振りで投げてくるチェンジアップもいい。未完成だが将来性を感じる。対する湯田は完成度が高い投手。スライダーなど変化球でストライクが取れるしピッチングを知っている」

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