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岡田監督はコーチ会議を廃止した
岡田監督はコーチ会議を廃止した

【緊急連載】「ドアを閉めとけ!」日本一に輝いた阪神の岡田監督はコーチ会議を廃止していた…強いリーダー論と日本一を支えた組織のあり方

 岡田監督はそういう無責任なミーティングを許さなかった。
 ちらっと見せてもらったことがあるが、毎試合、スコアラーから提供される資料は、週刊誌の厚さほどもある。
「要点だけでええんとちゃうか?」
 岡田監督は、そう注文をつけた。あれこれと詰め込んでも意味がない。だからミーティングで、岡田監督が口にするのはワンポイントだけ。それが意識づけとなり、実行できる対応力が阪神のレギュラーの打者に備わっていた。
 ただし岡田監督自身は、その資料をすべて頭に叩き込んで試合に臨む。前監督時代は、それをコーチ、選手にも求めてベンチに資料を持ち込むことを許さなかった。だが、15年の歳月が流れて、岡田監督は寛容になり、ベンチに資料を持ち込むことを認め、他球団同様にスコアラーが打者にベンチ内でデータを伝えることを許可した。
「時代やからな。それはもうしゃあないよ」
 ミーティングの工夫もした。通常、投手陣が相手打者の攻め方をチェックするバッテリーミーティングと、相手の投手をどう攻略するかの野手ミーティングに分かれ、スコアラーと担当コーチが話をするのだが、岡田監督は、時折、そのミーティングをする側のバージョンを入れ替えた。見方を変えれば、今まで隠れていた弱点が露呈することもある。
 コーチ会議を開かず、ミーティングで「岡田の考え」を叩き込む。38年ぶりの日本一の裏には、グラウンドからは見えない岡田監督の組織論があったのである。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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