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試合後に武尊はファンへ号泣謝罪した(写真・ONEチャンピオンシップ提供)
試合後に武尊はファンへ号泣謝罪した(写真・ONEチャンピオンシップ提供)

ONE王者が明かす“号泣土下座”で引退を示唆した武尊の“本当の実力”「私は3ラウンドにボディ攻撃を受けて倒れる寸前だった」

 気になるのは引退を示唆した武尊の今後だ。武尊は、このONEデビュー戦となるタイトル戦を前に「これで終わってもいいくらい命懸けで戦う」「ボロボロになっても泥臭く勝ちたい」と、ある意味、身を削る激闘を予想していたかのような発言をしていた。
「もう体が限界」の言葉は真実だろう。2年前の天心戦前には、腰と膝を痛め、1年近い休養期間を作り治療に努めたが、トレーニングでは、自らをとことん追い詰めて手の抜くことができない性分。試合への準備を進めれば、進めるほど古傷が悲鳴をあげる。スーパーレックやロッタンといった最高レベルの相手との試合では、いつ何がおきてもおかしくないことを武尊自身が察知していたのだ。武尊は、天心戦以来となる敗戦に再び向かい合い、再起することができるのか。
 チャトリCEOは引退の可能性を「ない」と明確に否定した。
「彼はまだやる。他団体から入ってきた選手にONEの初戦は難しい。ONEはそういう質の選手がいるからね。スーパーレックとの再戦もあるし、ロッタン戦もある。武尊はムエタイルールにも興味があると言っていた。どちらも興味深い組み合わせだ」
 チャトリCEOは、試合前には、スーパーレック戦の結果にかかわらずにケガで流れた武尊vsロッタン戦を実現したいとの意向を明かしていた。スーパーレックも次戦の希望を聞かれ「ロッタン、武尊、いずれの再戦も受ける」と答えている。
 チャトリCEOは、敗れてなお武尊の求心力を再評価。
「日本の格闘技界を盛り上げるためには、大谷翔平のような存在が必要。武尊は、その存在になれる」
 ちなみにスーパーレックは前戦でムエタイルールでロッタンと対戦して、途中ダウンを奪い判定勝利している。
 ロッタンと武尊のどちらが強かったか?の質問には、「ムエタイルールのロッタンの試合の方が疲れた。なぜなら武器(肘打ちなどOK)が多いからだ。今日のルールは武器が限られていたからね。どちらが強い?両方共に強くて才能がある」と返した。武尊がファンの気持ちに応え、世界最強であることを証明するチャンスはある。ボクシングに転向した天心が、次なるステージで前を向き続けている今、武尊が立ち止まるわけにはいかないだろう。負けたままでは終われない。
 車椅子に乗り、左足のふくらはぎ、太ももをアイシングの包帯でグルグル巻きにしていた武尊は、そこでも泣きながら「今できる限界までやったんで悔いはない。僕が今、命懸けでできるすべてをやった。もうこれ以上見せられません」とだけ語り病院へ直行した。

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