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豪快ヘッドで先制点を決めたDF木村誠二。日本は決勝T進出を決めたが次の韓国戦が重要(資料写真:森田直樹/アフロスポーツ)
豪快ヘッドで先制点を決めたDF木村誠二。日本は決勝T進出を決めたが次の韓国戦が重要(資料写真:森田直樹/アフロスポーツ)

“中東の笛”にもめげずU-23日本代表がUAEを下して8強進出…パリ五輪出場へ向けて準々決勝の組み合わせを考慮すると次戦の“宿敵”韓国には絶対に負けられない

 パリ五輪のアジア最終予選を兼ねた、AFC・U-23アジアカップのグループB第2戦が19日(日本時間20日)にカタールのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで行われ、U-23日本代表が2-0でU-23UAE(アラブ首長国連邦)代表に快勝して、U-23韓国代表とともに連勝でベスト8進出を決めた。前半27分にDF木村誠二(22、サガン鳥栖)が先制弾を決めた日本は、後半21分にはMF川﨑颯太(22、京都サンガF.C.)が追加点。 22日のグループB最終戦の相手は首位で並ぶ宿敵の韓国。準々決勝でグループAでの1位通過が予想される強敵カタールとの対戦を回避するためにも負けられない戦いとなる。

 2度取り消された追加点

 一度ならず二度までも追加点を取り消されても、日本は崩れなかった。
 得意とするセットプレーから、身長186cmの木村が空中戦を頭で制して先制弾を決めたのが前半27分。その後も優位に試合を進めた日本は、同アディショナルタイム6分に右サイドからドリブルで仕掛けた川﨑が相手に倒されてPKを獲得した。
 キッカーにFW藤尾翔太(22、FC町田ゼルビア)が立った直後に、タジキスタンのサドゥッロ・グルムロディ主審が試合を止める。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入からOFR(オンフィールド・レビュー)をへて、正当なチャージだと確認したグルムロディ主審がPKと相手選手に提示したイエローカードを取り消した。
 エンドが変わった後半16分には、DF大畑歩夢(22、浦和レッズ)がゴール右隅へシュートを突き刺した。しかし、直後にまたもやVARが介入。OFRも実施された結果、直前のプレーでゲームキャプテンのMF山本理仁(22、シントトロイデン)がシュートを放った際に、大畑がオフサイドポジションにいたとして無情の取り消しとなった。
 待望の追加点が生まれたのは5分後の同21分だった。
 左サイドを崩し、深い位置を突いた大畑がゴールラインぎりぎりから低空の高速クロスを放つ。ニアサイドに飛び込んだ川﨑が、頭でゴール右隅へ流し込んだ。試合後のフラッシュインタビュー。22歳にして京都でキャプテンを担う川﨑が声を弾ませた。
「絶対に焦れないようにしよう、と。相手の長身フォワードに一発の怖さがあるのはわかっていたので、リスク管理をしながら、事故が起きるかもしれないので2点目は絶対に取りにいきたい、という狙いは全員で共有していました」
 VARに泣いた2人によるホットラインで奪い取った2点目が、UAEの戦意を喪失させた。同国内の2大クラブ、アル・アインとアル・アハリが今大会直前に計5人の選手派遣を拒否。戦力ダウンを余儀なくされた状況で迎えた韓国との初戦は、後半アディショナルタイムの失点で0-1と惜敗。日本には力の差を見せつけられて完敗した。
 首都アブダビに拠点を置くUAE紙の『Al Bayan』は、22日のU-23中国代表との最終戦を残してグループリーグ敗退が決まった一戦を次のように報じた。
「五輪チームが『サムライ』に敗れ、今夏のパリ五輪出場への望みを完全に絶たれた。この試合で最初のコーナーキックを獲得したのが後半43分だった状況が物語るように、われわれの攻撃陣は日本にほとんど脅威を与えられないまま終わっている」

 

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