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中日の涌井が初回にまさかの9失点でプロ入り最短KO(資料写真・黒田史夫)
中日の涌井が初回にまさかの9失点でプロ入り最短KO(資料写真・黒田史夫)

なぜ中日の涌井秀章はまさかの初回9失点で“屈辱炎上”したのか…横浜DeNAに研究されて狙われた配球とバッテリーの修正力不足

 問題なのは牧の本塁打の後にも涌井―木下のバッテリーの配球に工夫が見られなかったことだ。
 続く宮崎にも初球のスライダーをフルスイングされてレフトフェンス直撃の二塁打。元中日の京田にも、初球の外角に甘くきたシンカーを狙われ、それはファウルになったが、2球目の浮いたストレートをミートされた。打球は涌井を強襲してセカンド前まで転がる内野安打となった。関根への四球などで、二死満塁とされて打者一巡。もう涌井は制球力を失っていた。時間をかけていい場面にもかかわらず、積極打法の桑原にまた初球の甘く浮いた初球のスライダーをセンターへ返された。ボール球から入ってよかった場面。続く蝦名にも、ど真ん中のストレートを逆方向へ弾き返された。0-7となった時点で、渋い顔をした立浪監督がベンチを出て交代を告げた。
 スクランブル登板した梅津も流れを止めることができず、佐野に見送ればボールの高めのボールをライト線に引っ張られて9点目を献上。牧を空振りの三振に斬って、ようやく打者13人、28分にも及ぶ長い1イニングが終了した。
 横浜DeNA打線は、元々早打ち傾向にあるが、今季からはオフェンスチーフコーチにアナリストだった鶴岡氏を就任させ、さらに思い切ったデータ野球へ舵を切った。全員が団結して狙い球を絞って攻略してくる。データを使った攻防には、表の配球、裏の配球の“いたちごっこ”の側面もあるのだが、涌井―木下のバッテリーは、その“いたちごっこ”さえできずに“大炎上”してしまったのである。ベテランの涌井が木下のサインにクビを振って修正すれば、どこかで防ぐことができたかもしれなかったが、それもできなかった。
 涌井は「チーム全体に迷惑をかけ、盛り上がってくれたファンにも申し訳ないことをした。次回しっかり調整します」との広報談話を残している。
 立浪監督は2回に木下を交代させた。指揮官がその交代で伝えたかったのは「頭を使え」「察知せよ」とのメッセージだろう。
 リーグでトップクラスの投手陣を揃えながら捕手のリードは中日の課題でもある。4月25日の巨人戦では2-0で迎えた6回二死一、二塁で、開幕投手の柳が、坂本に逆転3ランを浴びて、1球で勝利を逃した。初球のカーブにまったく反応しなかった坂本の狙いを察知できず、2球目の内角ストレートを狙い打ちされた。この時の捕手は加藤だったが、察知力さえあれば防げた一発だった。
 前出の評論家は「ここ5試合は木下にマスクをかぶらせていた。点が取れないので打力との兼ね合いもあるのだろうが、宇佐見、加藤と3人の捕手を使い分けることも重要かも」と提言した。
 本拠地バンテリンの5試合で1勝3敗1分は誤算だろう。投手力を軸に守り勝たねばならない中日にとって、頼りの先発陣が崩れ始めるのは危険信号。ここが正念場とも言える。
 明日3日からのヤクルト(神宮)、巨人(バンテリン)の6連戦でどう立て直すことができるのか。スポーツ各紙の報道によると、立浪監督は「球場も変わるので切り替えてやっていきたい」としっかりと前を見据えている。

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