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元日本代表の“ファンタジスタ”中村俊輔がW杯に臨む日本代表コーチに緊急就任した(写真:REX/アフロ)
元日本代表の“ファンタジスタ”中村俊輔がW杯に臨む日本代表コーチに緊急就任した(写真:REX/アフロ)

「黄金の左足が生み出す“魔のプレースキック”伝授か?」森保ジャパンがW杯直前に“レジェンド”中村俊輔を緊急入閣させた理由とは?

 しかしやや物足りなく映る数字もある。
 第2次政権であげたゴールが「115」を数える一方で、直接フリーキック(FK)をダイレクトで叩き込んだものはひとつもない。現時点で直接FKをそのまま決めた最後のゴールは、第1次政権下の2022年7月に行われた、香港代表との東アジアE-1サッカー選手権で相馬勇紀が叩き込んだ一撃までさかのぼる。
 直接FKがアシストになって生まれたゴールも、ともに2023年に谷口彰悟と菅原由勢が決めた2つだけ。左右のコーナーキック(CK)からワンタッチで生まれたゴールも5つとなっている。実力が拮抗した試合になるほどセットプレーの重要さが増してくるサッカーの鉄則を考えれば、セットプレーで示されている数字は、日本が長く抱えてきた課題がいまだ解消半ばという状況を物語っている。
 もっともストライカー出身の前田コーチの指導で、デザインされた形を含めて、セットプレーで合わせる選手たちの質は上がっている。だからこそ次はキックの精度や質が求められる。現役時代はセットプレーで黄金の左足を駆使し、セルティックやJリーグ、そして代表でいくつもの語り継がれるゴールを決め、アシストしてきた中村氏は、分業制の下でセットプレーのキッカー指導を任せられる最適解の存在となる。
 そして中村氏の入閣で誰よりも刺激を受けるのが久保建英となる。
 ヨーロッパがシーズンオフとなって帰国する夏場に、同じ左利きのアタッカーとして久保と中村氏はテレビ番組などでプレースキック論を何度も熱く語り合ってきた。なかなかマスターできないと試行錯誤していた落ちるボールを、中村氏との会話をヒントにしながら「蹴れるようになりました」と喜んだこともある。
 久保に加えて堂安律、伊東純也、中村敬斗らが担ってきたプレースキッカーの師匠となる中村氏は、5月15日に決まった代表メンバー26人の発表を経て、同下旬から始動する森保ジャパンに満を持して合流。まだ見ぬベスト8の壁をはるかに越えた先に「優勝」という目標を掲げるチームに、新たな武器となる飛び道具を伝授していく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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