「井上尚弥はビビってオレを避けている。対戦すればクビが飛ぶ」カシメロが体重超過のネリから計6度のダウンを奪い4回衝撃TKO勝利…悪童対決を制してモンスターを挑発…実現の可能性は?
プロボクシングの元3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(36、フィリピン)が6日、愛知県国際展示場での56.2キロ契約のノンタイトル10回戦で元2階級制覇王者のルイス・ネリ(31、メキシコ)から計6度のダウンを奪い4ラウンド42秒TKO勝利した。ネリは前日計量で1.4キロを超過。カシメロは「当日計量でリミットより4.5キロ超なら罰金」の条件をつけ試合実施に合意していた。カシメロはスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(33、大橋)を「井上尚弥は、びびって俺を避けている。対戦すればクビが飛ぶ」と挑発した。

ネリにTKO負けし、カシメロに判定勝利している亀田京之介が予告していた。
「カシメロが勝つ気がします。舐めて計量オーバーしたネリと準備万全のカシメロでは計量の時の体がまるで違っていた」
試合開始のゴングと同時に衝撃が走った。
キレキレのカシメロが前に出て動きの鈍いネリを襲う。コーナーにつめて、左フックを2発。クリーンヒットではなかったがその威力にネリがたまらず膝をつく。立ち上がってきたが今度は右のボディから飛び上がって放った左フックが炸裂した。背中からダウンしたネリをカシメロが見下して右手で首切りポーズ。
だが、元2階級制覇王者のネリは簡単にはあきらめない。ぬくっと立ち上がってきた。まだ時間は1分30秒残っていた。
カシメロは笑っていた。ネリがフックを振り回して反撃に出るが、また左で強引に押し倒した。これはダメージのないダウンだったが3度目のダウン。カシメロがアゴを触って「打ってみろ」と挑発した。
このラウンドの採点は三者が6-10。なかなか見ない採点だ。
もう逆転KOしかなくなったネリは出てきた。左ストレートをヒットさせるも、今度は右で押し倒された。4度目のダウン。ネリは両手をあげてスリップをアピールしたが認められない。
3ラウンドにはガードを固めてプレスをかけて左フックを振りまわす、いちかばちかの玉砕戦法。そのパンチを浴びたカシメロは、ロープに下がった。
試合後「やはりパワーはあると思った」と振り返った。
だが、逆にカシメロの左フックがかすり、ネリが手をつくと、またしても、それをダウンと判定された。これもスリップダウン判定でもおかしくはなかったが、4ラウンドにカシメロが文句のないフィニッシュで場内を騒然とさせた。冷静にボディにパンチを散らしておいてからのまるで鎌のような左フック。ネリは大の字。もう立つことができずレフェリーの池原信遂がTKOを宣告した。
カシメロはコーナーに駆け上がって2200人の観衆の熱狂に両手で交互にクビ切りポーズをして応えた。
リング上のインタビューで「ネリを倒して井上尚弥を倒した気分だ」と豪語して、ファンをざわつかせた。
ネリを沈めた左フックは、兄のジェイソンとのトレーニングで磨き上げて「狙っていたパンチだった」という。
「ネリはいい選手なんで、チームと相談してこのプランを考えて勝利をつかめた」
総括で今大会のベストファイトにこの試合を選んだ亀田興毅氏も、1ランドの電撃奇襲を勝因にあげた。
「様子を見たらネリが慣れてくる。立ち上がりの緊張、浮足だっているところに先手必勝でいったのが良かった」
過去のカシメロとは、まるで出来が違っていた。某日本を代表する大物プロモーターが「本気で練習してくるカシメロは強い」と語っていたが、昨年10月にキルギスで亀田京之介のアウトボクシングに翻弄され0-3判定で敗れたカシメロとは別人だった。
「亀田京之介には彼とスパーリングしたことでその映像を分析されて負けだ。コンディションは良かったんだ。だが、その負けが悔しくてそれを取り返そうと一生懸命練習して今日の結果があるんだ」

