二重王座?混乱招く!なぜ正規王者バムがいて7.20両国で増田vs比嘉のWBAバンタム王座決定戦…「もしバムが負けていたらノンタイトル戦に」…前代未聞の記者発表の裏事情とは?
2つ目はWBAの正式発表を待たずに見切り発車で発表した理由。チケット販売やライブ配信するU―NEXTの興行事情から言えば、1か月前の発表でもギリギリだが、拳四朗と岩田の2つの世界戦だけを先に発表して、バムのベルトの結論が出てから、増田-比嘉を追加で発表する手順は踏めなかったものか。
浜田代表は厳しい表情で配布された資料の経緯を説明した上でこう返した。
「WBAからの指令があったものですから、その通りやっています」
本田会長によると、バムがバルガス戦で苦戦したことが、さらにそのWBAの決定を遅くしているという。
バムはバルガス戦でスピードとスキルで圧倒していたものの、明らかにサイズが小さくて逆にバルガスにフィジカルで押され、ジャブや右ストレートを被弾した。タイミングのいいカウンターで5回、6回と2度ダウンを奪い、最後はKOで仕留めたが、ロベルト・ガルシアトレーナーは、さらに1階級アップしての井上との試合に躊躇していて、もう1試合、バンタム級での試合を希望しているという。
だが、一方でプロモーターのマッチルームのエディ・ハーン氏は、巨額なファイトマネーが約束されているサウジアラビアの「リヤドシーズン」の日本初上陸となる井上戦をやりたくて仕方がない。
バムがバンタム級でもう1試合やる場合は、WBO世界同級王者のクリスチャン・メディナ(メキシコ)との2団体統一戦となり、その場合はバムはスーパー王者に昇格。ダイレクトで井上戦に舵を切るなら、ベルトは返上となるが、まだ悩んでいて態度をハッキリさせないため、WBAの正式な発表がこの日の発表に間に合わなかったという。
さらに本田会長は「WBAがスーパー王者に認定するのは特別な選手。もしバムが負けてバルガスが勝っていれば、この試合(増田―比嘉)はノンタイトル戦になるところだった」とも明かした。
バルガスが防衛に成功していた場合は、WBAはバルガスのレベルの王者をスーパー王者に認定はできないため王座決定戦は成立しなかったというのだ。
ただバムは、帝拳のプロモート選手であり、ガルシアトレーナーとのパイプも太いため、陣営の考えは帝拳にはダイレクトに伝わっており、本田会長も「7月20日までにはWBAからハッキリ発表される」と断言した。
本来であれば、王座決定戦の日程を後ろにずらすのが望ましかったのかもしれない。だが、日本の世界戦興行は会場と時間を抑えるのに苦労するという事情がある。配信は多少日程の融通はきくものの、今回はトリプル世界戦が組まれたため、なおさら早い段階で決めたスケジュールを動かすのは難しい。ただ混乱を招きベルトの価値に疑問を抱かせたことに問題は残った。
特にWBAは暫定王者を乱発させていることで世界的な批判にさらされている団体。昨年7月にバルガスに挑むもドロー判定で王座を獲得できず、1度は引退を示唆して、1年間試合をしていない比嘉がランキング2位になっていることへの疑問も残る。

