どうなる?!「1年前よりパンチが当たりにくくなった」リング誌絶賛のホープ証言の比嘉大吾の進化と「中盤に倒すのでは」元祖“神の左”が太鼓判の増田陸が争うWBA王座決定戦が面白い
比嘉が増田を攻略するにはインファイトしかない。野木トレーナーも「ドロドロの展開に持ち込めるとこっちのペース」と明かしている。
ミドル、あるいはロングレンジからの増田の“神の左”ストレートをいかに被弾せず懐に飛び込むか。ジャブも重要だが、よりディフェンスの比重が強くなるため、そのスキルアップに取り組んだ成果が麗斗の感じた進化なのだろう。
野木トレーナーは会見で1ラウンド勝負と増田陣営を挑発した。実は、公開練習を視察した際、「判定の可能性も高い。楽なことは考えないようにフルに戦ってやっと勝つみたいなイメージ」と語っていた。筆者は、こちらが本音だと思っている。
1ラウンド勝負は秘密にしておかねば、相手をパニックに落とし込む効果がないからだ。ただインファイトになれば比嘉の領域。世界戦で3戦連続でダウンを奪ってきた左フックが火を噴くことになる。
一方の増田のKO勝利を疑わないのが、元祖“神の左”山中氏だ。当日に「U-NEXT」で解説することもあって計量会場に姿を見せていた。
「どうなるか難しい試合ではありますが、増田が中盤にKOするのでは?と予想しています。互いに警戒しあって判定にもつれこむことはないんじゃないですか。比嘉選手にとってはどうやって中へ入るかがポイント。ドローに終わった、ここ2戦は相手がオーソドックスだったので、その展開に持ち込めましたが、サウスポーで、しかも中間から遠い距離からの左ストレートを武器にする増田に対しては簡単じゃないと思っているんですよ。もちろん近い距離で戦う時間帯は絶対にありますから、そこで増田がどう対応するか。いずれにしろKO決着になるんじゃないですか」
比嘉は誰にでも愛される好人物。もし王座に返り咲けば、日本最長ブランクとなる8年3か月ぶりだ。その気の遠くなる月日を血と汗と涙と共にマンツーマンで歩んできた野木トレーナーの気持ちに思いを寄せるともう目頭は熱くなる。
ただ冷静にこのファイトを予想すれば、山中氏の予想が的を得ているような気がする。比嘉は増田ほどのパンチ力のあるボクサーと対戦したことがない。ただ経験の差を生かして増田を空回りさせることができれば勝機は出てくる。年間最高試合にノミネートされるような激戦になることは間違いない。

