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青木真也は朝倉未来のパウンドに沈む(写真・RIZIN FF)
青木真也は朝倉未来のパウンドに沈む(写真・RIZIN FF)

青木真也の超RIZIN朝倉未来戦の謎?「なぜ時代遅れの腕逆十字を仕掛けて墓穴を掘ったのか」…“路上の伝説”も「もう一人やらないといけない選手がいるでしょう」と「それ誰?」の再起エール

 総合格闘技イベント「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」(10日・京セラドーム大阪)では朝倉未来(34、JTT)が“レジェンド”青木真也(43、フリー)を1ラウンド2分39秒にパウンドでTKOした試合が話題となった。試合後、青木は「通用しない」「年を取った」などの限界を口にするも見せ場を作った。進退については明かさなかったが、榊原信行CEO(62)は「青木真也は嫌いだが、これで終わって欲しくない」とRIZINへの継続出場を求め、朝倉も「もう一人やらないといけない選手がいるでしょう」と再起へのエールを送った。

 

青木真也は勝者の朝倉未来を称えた(写真・RIZIN FF)

 四の字ロックで青木優勢のポジションを取るも…

 11年ぶりにRIZINの舞台に帰ってきた“レジェンド”青木は“令和のファン”へ京セラドーム大阪のリング上から強烈で異彩なメッセージを放った。それは世界をけん引したグラップラーのスキルであり、格闘家の魂のようなものだった。
 ゴングと同時に朝倉がふってきた左フックを外すと、そのまま組んでロープへ押し込んだ。グラウンドに引きずり込み、下になった青木が糸通し、三角絞めを狙うと、4万8000人を超える場内から「オオ!」とどよめきが起きる。ふりほどかれると、距離を取ったスタンドの展開に持ち込ませないために、すぐさまタックル。スタンドでバックを取った。  
 朝倉がそのクラッチを切ろうとするがまるで鉄の鎖のようだった。
「めちゃくちゃ手が大きくて切れなかった」とは朝倉の回想。
 青木は背中に飛び乗り、足四の字で固めたまま、再びグランドに持ち込む。
 もう“青木ワールド”である。京セラドーム大阪を埋めた青木の全盛期を知るファンの誰もがフィニッシュを想像した。だが、足四の字でロックしたまま、下から左手を狙い、バックチョークを狙うも決め切れなかった。
 試合後、青木が「バックチョーク、十字も得意というか(1本を)取ってきた自信のあるワザ。そういうのが徐々に通用しなくなっていくのが、年齢なんだろうし、新陳代謝されてくんだろうなと」と自虐したシーンだ。
 逆に朝倉は「恐ろしいほど冷静。相手が狙っているものが全部わかった。四の字バックから逃げるのが得意。その練習をやってきた」と青木の蟻地獄を逃げ切ったディフェンス能力を自負した。
 青木は絶好のポジションをキープしていた。四の字ロックの態勢のままコントロールを続ければ、朝倉の体力が消耗して、どこかのタイミングでチョークを決めることもできたのかもしれない。
 だが、なぜか青木は下からのパウンドも打たず、常道の長期戦も選択せず、焦ったかのように腕逆十字を狙った。朝倉に体を入れ替えられパウンドの嵐。そのレフェリーストップが「遅かった」とSNSで議論されるほどのパウンドを浴びて青木は戦意を喪失した。
 なぜ青木は、現代のMMAの全盛である首ワザではなく、もはや時代遅れの決め技とされている腕逆十字で勝負を仕掛けたのか。
 試合後の会見でバックからの逆十字を狙った理由を聞かれた青木はこう答えた。
「それくらいファイトしたかったんじゃないですか。自信もあったんだと思う」
 時代と時代のイデオロギー対決とされた。
 青木は、PRIDEの最後からDREAM、ONEの創成期を支え、数々の名勝負と王座を獲得。一方の朝倉は新時代のカリスマとして君臨、ユーチューバーとしても活動、ブレイキングダウンなどの新形態の人気格闘技をプロデュースしている。朝倉は、試合後「それを感じるのは見ている側。いち強敵として試合を受けた。感じるところはなかった」と言ったが、「もう先がない」と、戦前から語っていた青木は、あえて時代を超えた対決のメタファーとして、決め技としては、今やUFCなどで決め技としてほとんど見なくなった腕逆十字で勝負に出たのかもしれない。 
 また青木は「今の自分の状況がよくわかった」とも話した。
 43歳の体力の不安が、判定を念頭に置き、1ラウンドのポイントを確実に取るのではなく、早期決着へ青木を向かわせたのかもしれなかった。 
 青木らしい謎の選択だったが、結果的にその仕掛けは墓穴を掘ることになった。

 

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