それ何?「孤独だった」と告白した那須川天心の井上拓真との再戦勝利テーマは「キレキレではなくヌルヌル」?!「やられる覚悟がやる覚悟。刺しにいく」パフォーマンス封印で本当に勝てるのか?
WBC世界バンタム級王者の井上拓真(30、大橋)との再戦(27日・トヨタアリーナ)に挑む同級1位の那須川天心(28。帝拳)が14日、新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。恒例だったガチスパーは見せず手の内を隠した。おそらく疲労がピークなのか抜群の動きではなかったが、天心はキレキレではなく「ヌルヌル」がテーマだと言い葛西裕一トレーナー(56)は試合中のパフォーマンス封印を言い渡していることを明かした。「やられる覚悟は、やる覚悟のある奴にしかない。刺しにいきます。KOしたい」崖っぷちの天心はそう宣言した。

天心は手の内を隠した。恒例のガチスパーを4月のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)戦に続き「だいぶ見せたんでもういいかな」とやらずに、シャドー、ミット打ち、サンドバッグ打ちだけを公開した。ミット打ちでは、ジャブとワンツーを見せただけ。
「これくらいは(見せて)いいかな?」
途中、葛西トレーナーが陣営の一人に確認するほど神経質になっていた。コーナーの隅からは、拓真陣営の北野良トレーナー、鈴木康弘トレーナー、そして拓真のいとこになる井上浩樹が目を光らせていた。
試合まで2週間。おそらく減量に入り、メキシコ人バートナーを3人呼び、140ラウンド近くスパーを重ねたという疲労がピークだったのだろう。抜群の動きには見えなかった。
「疲労が相当あったのでそれを披露するわけにもいかない。ヒーローですから」
天心らしくジョークを交えて説明したが、「疲労をちょっと披露してしまったのでは?」と返すと「そんなことないですよ。疲れているように見えました?」と逆に質問された。
再戦に向けてのテーマはキレキレではなく「ヌルヌル」だという。
「ヌルヌルというか節目を作らずにずっと集中してるのがキーポイント。集中を途切れさせない。途切れ途切れになると前回の試合と一緒になる。3ラウンドは強いかもしれないけどそこで集中力が途切れてしまうと、また入れるのが難しい。だからヌルヌルと、ずっと抜けないということを常日頃やってきている」
判定負けした昨年11月の拓真戦では、1、2ラウンドとカウンター戦略でポイントを奪うも、3ラウンドから一転、プレスをかけられると「自分の知らない間合い、ボクシングをやってきた」と戸惑い、「迷い」が生まれて「自分が信じられなくなり」ペースを乱した。それは見方を変えると、集中力が切れたことが原因でもあった。
9回でギブアップさせたエストラーダ戦から天心が15歳の頃以来のコンビを復活させた葛西トレーナーは「エストラーダ戦からの上積みがある。隙がない。心の隙。12ラウンドを戦う中、1ラウンド、1ラウンドの集中力が出ている」と説明した。
そして「パフォーマンスはさせない。サービス精神が旺盛なんだけど、それはチャンプになってからやればいい。勝つことだけに集中。余計な口をきかない。手を回す?僕が怒りますよ」と、天心がこれまで試合中に見せてきた手をグルグル回すなどのトリッキーなパフォーマンスを封印させることを明かした。
それが集中力を途切れさせることにつながる可能性があるからだ。

