「マンネリという反応もあった」なぜNZに勝った森保監督は伊東純也をサイドバックでサプライズ起用し、2年7か月ぶりに4バックを選択したのか?
ウイングバックからサイドハーフへ主戦場を変えた堂安が手応えを口にする。
「4バックだと僕とタケ(久保)が細かくパスをつないでいる中で、もう一人の味方選手が僕たちを追い越してくれると、攻撃にさらに厚みが出てくる。その意味で、今日は中野が本当に攻撃的にプレーしてくれた」
しかし、直後の同32分にミスからカウンターを喫して失点し、その後も最初の選手交代で攻撃を活性化させるまで攻めあぐねた。ボランチとして攻撃のタクトを振るった鎌田大地(クリスタル・パレス)は「本当に久しぶりだったし、ほとんど練習もしていない中での今日だったので」と断りを入れた上で4バックをこう振り返った。
「引いた相手を崩すのは現代サッカーでは本当に難しい。実際に自分たちが苦戦したように、アジアカップではこういう相手が多くなる。引いた相手にもっと脅威を与えられるように、攻撃の部分をもっともっと良くしていきたい」
次の11月シリーズでは舞台をシンガポールに移した国際親善試合で、W杯北中米大会のラウンド32で敗れたブラジル、同じ南米勢のパラグアイ両代表と対戦。来年1月からは4大会ぶりの優勝を狙うアジアカップがサウジアラビアで開催される。
半年間という異例の契約延長オファーに応じ、アジアカップをもって約8年半の長期政権にピリオドを打つ森保監督にとっては、ニュージーランド戦が日本国内で臨むラストマッチ。システムこそ変更したものの、先発させた11人のうち中野を除く10人が、先のW杯をともに戦った気心知れた選手たちだった。
指揮官は「マンネリという反応もあったと思う」とした上で、3戦無敗で迎えた今シリーズ最終戦で挙げた白星を次のように総括した。
「忘れていけないのは、たとえマンネリでも繰り返しやらなければいけないものがあるということ。今日は引いた相手との戦いへ向けて良いシミュレーションになった。未来の世界一へ向けて、これからも成長を続けていくためにチャレンジしていきたい」
第1次政権が船出した2018年9月から森保ジャパンに招集され続け、今シリーズでも「10番」を拝命。チームキャプテンも担った堂安は、中村のラストパスを利き足とは逆の右足で押し込み、つかみ取った勝利の価値に胸を張った。
「アジアカップへ向けて、新たな武器ができたかなと思う」
答えは11月シリーズを経て、サウジアラビアの地でまずカタール、タイ、インドネシア代表とグループステージを戦うアジアカップで明らかになる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

