「尚弥からの助言?言えません」井上拓真が井岡一翔との5.2東京D決戦を前にシークレットを貫く理由とは…勝てば那須川天心との再戦「また自分が勝つ自信がある」
プロボクシングのWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30、大橋)が18日、横浜の大橋ジムで5月2日の東京ドームでの元4階級制覇王者、井岡一翔(37、志成)との初防衛戦に向けての公開練習を行った。「見た目じゃわからない強さがある」と警戒するレジェンドを挑戦者に迎えるが、父で専属トレーナーの真吾氏(54)はメインで中谷潤人(27、M.T)とのビッグマッチを控えるスーパーバンタム球4団体統一王者の井上尚弥(33、大橋)から井岡の弱点を伝授されていることを明かした。
「井岡には見た目ではわからない強さがある」
何もかもシークレットだ。
拓真はバンテージも巻かずに1ラウンドのシャドーだけで公開練習を終えた。なぜか志成ジム陣営は視察に訪れておらず、手の内を隠すような対象もいなかったわけだが、大橋秀行会長は「インフルとかもあるからね。(そういう感染も)怖いじゃないですか?」と、超短縮公開練習となった理由を説明した。
たった1ラウンドでは本人が「過去一」と自負するコンディションの判断はしかねた。ただ兄の尚弥と同じく太腿とふくらはぎの逞しく発達した筋肉はどれだけハードな練習を積んできたかをうかがわせた。大橋会長も「30歳でキャリアも積んで年齢的にも今一番全盛に向かって充実している。天心に勝った試合の中で成長した部分もある」と証言した。
「自分が王者ですが挑むぐらいの覚悟でぶつかりにいって、しっかりと倒したい。レジェンド相手にどう戦ってどう勝つのか、そこを楽しみに見てもらいたいですし、日本人として初めて(井岡に)黒星をつける。そこにも注目してもらいたい」
拓真の発言は自信に満ち溢れていた。
昨年11月のWBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心(帝拳)を3-0判定で下して王座返り咲きを果たした。その自信と成長が今回の井岡戦を制するための原動力である。
その天心前には兄の尚弥から「絶対に勝てる」との太鼓判をもらったことを明かしていた。
今回は?
そう質問すると「今回ですか? そういう言葉があったかどうかですか?」
拓真から逆にそう聞き直された。
すると横から真吾トレーナーが「井上家の中で暗黙でありますからね。当たり前じゃないですか。何を言ってるんすか(笑)」と助け舟を出した。
拓真も笑って言葉を引き継ぐ。
「それはもう言葉をかわさずとも通じ合う感じです」
なぜか…井岡戦に向けて兄からの「絶対勝てる」の太鼓判があったかどうかがハッキリしない。
印象に残った助言は?
そう角度を変えて質問したが「そのアドバイスもちょっと今ここじゃ言えないですね」とまたシークレット。
ただ真吾トレーナーが「もしかしたらそれは弱点かもしれないじゃないですか。いろんなことがあるんですよ」と明かした。
「井岡選手はすごいテクニシャン、技術を持ってる選手なんで、そこに勝る練習も今やっている」
その練習とは?
「言えないじゃないですか。言っちゃったらもうすべてじゃないですか(笑)。そこは当日の楽しみに。ここなんだというところを逆に気づいてもらいたいですよね。井岡選手は(テクニックが)あるじゃないですか。そこを上回ることは、見ていたら絶対分かるはずなんで。本当意識して練習しているところ」
試合が始まるとすぐにわかる?
「徐々にですよね。お互いやっぱりペースの取り合いから始まっていくと思うんで。そこからいろんな動きが出てくる。その辺を見てもらえたらいいのかな」
真吾トレーナーは、オブラートに包みながら、12ラウンドの長丁場の激闘に備えていることをほのめかした。
陣営が慎重に言葉を選び、シークレットにする理由は、井岡との試合が互いに駆け引きや戦略を駆使した「究極の技術戦」になるからだ。
ささいな情報でも漏らしたくない。

