「尚弥からの助言?言えません」井上拓真が井岡一翔との5.2東京D決戦を前にシークレットを貫く理由とは…勝てば那須川天心との再戦「また自分が勝つ自信がある」
拓真は過去の映像だけでなく、バンタム級初戦となる大晦日のWBA世界バンタム級挑戦者決定戦を大田区総合体育館まで足を運び、世界11位のベネズエラ人を4回KOで倒した試合をリングサイドで見ている。
「派手じゃないが見た目じゃわからない強さがいっぱいある。どの試合でもそうですが、タイミングがやっぱりいい。そのタイミングに気をつけながら、いろんな駆け引きをやっていきたい」
37歳の年齢。そして5階級目となるバンタム級への階級の壁が井岡の弱点であり、拓真のアドバンテージであるはずだが、「特に階級の差は感じてはいない。年齢も前回の試合を見た時に別に衰えてるとは思っていない」と王者は警戒心を緩めない。
大橋会長もこう言う。
「年齢的に衰えてるのはしょうがないがそれをどうカバーするか。70%の力で戦う方法もあって動かずに体力を消耗をせずディフェンスも最小限で年齢を重ねたボクシングをしている。極めている達人。今現在のボクサーの中では群を抜いているんじゃないですかね」
出入りのスピードやパワーは拓真が井岡が上回るが、その差をカウンターやボディブロー、抜群の距離感で元4階級制覇王者は潰しにくる。
またラウンドのメリハリやペース配分も抜群だ。
大橋会長は「記憶に残る技術戦になるのでは」と予想している。
ヒントがあるとすれば、井岡が連敗を喫した元WBA&IBF世界スーパーフライ級王者、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)の戦い方だ。マルティネスは、駆け引きではなくパワーと手数で井岡を圧倒した。拓真も「参考になる部分はあります。いろんな展開を想定して練習している」という。
だが、大橋会長は「ヒントにはなるけれど、拓真はタイプが違うので違った面で崩していく部分もある。ただ本当に崩しにくい相手」と甘くは考えていない。
大橋ジムと井岡には因縁がある。14年前に現在トレーナーで元3階級制覇王者の八重樫東が、ミニマム級のWBCとWBAの統一戦で激突し、八重樫が目が塞がるほど大きく顔を腫らして判定負けをしているのだ。
当時拓真は高校生。
大橋会長は「あの時の井岡選手とキャリアを積んだ今とはスタイルも別人。でも今でも昨日のように試合を覚えている」と振り返った。
拓真も井岡もディフェンス能力が高いため、顔を腫らすような展開にはならないだろう。大橋会長もそれを認め「ディフェンスがいい中でも瞬間的なパンチでダウンもある」と予告した。

