なぜ中谷潤人は「井上尚弥をぶっ倒す」と発言したのか…真意明かすもモンスターの「そう来なくちゃ」反応には「特に何も」とスルー…見えてきた「見返す」戦略…「クロフォードを参考に」
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(33、大橋)に5月2日、東京ドームで挑む元3階級制覇王者の中谷潤人(28、M.T)が19日、羽田着の日航機で合宿先の米国ロサンゼルスから帰国した。専門誌「ボクシング・ビート」誌上で明かした「本当にぶっ倒す」発言の真意を明かすと共に史上初の3階級4団体統一を成し遂げたテレンス・クロフォード(38、米国)の戦法を参考にしていることも明言した。
「ファイターの心を持っている」
ロスからの帰国フライトは1時間遅れた。
「機内でもゆっくり過ごせましたし、最終日は練習せずにそのまま帰ってきて休息も取れた。順調です」
「BIG BANG」と書かれた黒のオリジナルTシャツにキャップ、上下ジャージと黒で統一した中谷は、サングラスをかけてゲートに現れた。
空港では「どこの航空会社かわからない」外国人の機長から今回の井上戦に向けての激励の声をかけられた。
「たくさんの関心と期待があるんだと感じた」
「THE DAY」の反響はワールドワイドに広がっている。
中谷は、恒例のルディ・ヘルナンデス・トレーナーのジムで行った合宿の成果を「数多い実戦で動ける動きと動けないことを確認しながらやってこれた。より成長できた部分がたくさんあった合宿」と説明した。
筆者はひとつ真意を確かめておきたい発言があった。
信頼すべき日本でただひとつのボクシング専門誌「ボクシング・ビート」誌上で「もう本当にぶっ倒します」と過激な表現でKO宣言をしていたのだ。
中谷は「もちろんそうです」と発言を認めた上でこう真意を明かした。
「毎試合、そうですね。倒すというファイターの心を持っているのでそこはしっかりアクションを起こしていきたい」
アクションを起こすとは「倒しにいく」との意思表明に他ならない。
井上は、この発言を受けてXにて「いいね。そう来なくちゃ」とリアクションをしていた。
その反応を受けての再アンサーを求めたが、「やるだけなんで。その辺は、特に何も思っていない」と見事にスルーした。
モンスター攻略への輪郭も見えてきた。
中谷の長所は長身のサウスポー。井上とは約8センチほど身長もリーチも違う。過去に井上はこういうタイプとの対戦経験がない。
理想形として重なるのは、昨年9月に、井上より数か月前に史上初の2団体4団体統一を成し遂げ、当時はWBA世界スーパーウェルター級王者だったテレンス・クロフォードが2階級上のスーパーミドル級の4団体統一王者、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)を徹底した出入りのアウトボクシングで完封して判定勝利し、前人未到の3団体4団体統一王者となった世界戦だ。クロフォードはスイッチャーだが、この試合は、サウスポースタイルで、カネロを空回りさせ続けた。
カネロはパワーを生かした攻撃的なパンチャー。ボクサーとしては、下降線にあり、引き出しもカウンター技術も、井上に比べて多くない。それでも対戦構図としては今回の井上VS中谷に通じるところはある。
中谷はその試合を「参考にしている」と隠さなかった。

