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井岡がスカウトした吉良がプロ5戦目でWBA世界王者に(写真・山口裕朗)
井岡がスカウトした吉良がプロ5戦目でWBA世界王者に(写真・山口裕朗)

めちゃ強い!「これからの時代を作っていく選手」吉良大弥“ワンパン”TKOでの日本最速タイ世界奪取を井岡一翔が絶賛…亀田興毅氏と“決別”のIBFフライ級王者の矢吹正道とのビッグマッチも浮上!

 プロボクシングのWBA世界ライトフライ級王座決定戦が2日、横浜BUNTAIで行われ、同級1位の吉良大弥(23、志成)が元WBA、WBC同級王者のカルロス・カニサレス(33、ベネズエラ)を7回38秒TKOで下して新王者となった。プロ5戦目での世界奪取は元4階級制覇王者、田中恒成(畑中)に並ぶ日本最短タイ記録。ジムの先輩の元4階級制覇王者の井岡一翔(37)は「これからは彼らの時代」と絶賛した。減量の厳しい吉良は1階級を上げて2階級制覇を狙う方向が濃厚で、対戦候補として、IBF世界フライ級王者の矢吹正道(34、緑)が急浮上している。

 

吉良の衝撃TKOシーン(写真・山口裕朗)

 尊敬する東農大の先輩でもあるレジェンドの声がハッキリ聞こえた。
「ここは相手もしんどい。我慢やぞ」
 6ラウンドが終わったインターバルだ。
 1ラウンドから5ラウンドまでは、中間距離で戦う吉良がほぼパーフェクトに支配していた。トレーナーでもある佐々木修平会長が「全部のパンチを見切れていた」と振り返るように、ほぼ被弾なくスピードとパワーで圧倒。右フック、ワンツー、左右のボディショットなどを面白いようにヒットさせ続け、3ラウンドには右の打ち終わりに左フックのカウンターを見事に合わせてダウンも奪っていた。
 ジャッジペーパーを見返すと、3人のジャッジ全員が5ラウンドまですべてで吉良を支持していた。
 だが「序盤はスローペースで中盤からが勝負」と踏んでいたカニサレスが、6ラウンドに距離をつめてインファイトを仕掛てきた。手数が増え、吉良は右フックのクリーンヒットを初めてもらうほどペースを乱した。
「楽な展開じゃなかった。一筋縄ではいかない相手。体力的にあと半分の6ラウンドも残ってんねんと思った。自分の疲れと相手の疲れを感じて、ここ勝負やなと思っていた時に井岡さんに“ここからやぞ”と言われた」
 その井岡の言葉でスイッチが入った。
 左に頭の位置を少し下げてタイミングをワンテンポ遅らせてから放った衝撃の左フック。歴戦の元世界王者は、まるでスローモーション映像を見ているかのように腰からダウンして大の字になった。
 吉良は、カニサレスの動きが「スローに見えた」という。究極の集中力がもたらすとされる「ゾーン」に入っていたのだ。
「どっかのタイミングで来ると思っていたが、やっぱり来た。相手が詰めてきたところに自分も詰め返した。フックがこうドンピシャ に当たったって感じ」
 カニサレスはなんとか立ち上がるも、足がよろけて、後ずさりするとレフェリーはカウントを止めてTKOを宣告した。
 吉良はコーナーに駆け上がって右手を突き上げた。
「重たいです」
 肩からベルトを下げた吉良のそれがリング上での第1声だった。
 プロ5戦目の世界奪取は、田中恒成に並ぶ日本最速タイ記録。それでも吉良は、「それに対しての思いは全然なくて、目標としていた、この試合に勝てたことが1番嬉しいです」と受け流した。
 田口良一と引き分け、小西伶弥、木村翔を打ちのめし、拳四朗には、判定で敗れたもののダウンまで奪っているカニサレスは、「吉良の強さにはびっくりした。気がつくと記憶がない状態だった」とコメントした。
「証明したな」
 そう言って吉良の世界奪取を祝福した井岡は、自らが志成ジムにスカウトした愛弟子に送ったアドバイスの理由をこう明かした。

 

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