佐野海舟のクリスタル・パレス移籍は約54億円の移籍金が希望額を下回り消滅も中村敬斗はリヨンにレンタル移籍か…欧州市場締め切りも特例の「ジョーカー制度」を適用?!
欧州の移籍市場が1日(日本時間2日)に最終日を迎え、先のW杯北中米大会で活躍した日本代表選手が対照的な状況に直面した。ブラジル代表戦でゴールを決めて、評価をさらに上げたMF佐野海舟(25、マインツ)がプレミアリーグのクリスタル・パレスから電撃オファーを受けたが、提示された移籍金が設定額に大きく届かないとしてマインツ側が却下。2部リーグ所属選手として森保ジャパンに選出され、1ゴール1アシストをマークしたMF中村敬斗(26、スタッド・ランス)は特例の下で同じフランスの1部リヨンへの期限付き移籍へ大きく近づいた。
マインツがオファーを却下
移籍期限当日に浮上した佐野のステップアップが瞬く間に消滅した。
日本代表のボランチが所属するブンデスリーガのマインツに対して、プレミアリーグのクリスタル・パレスが提示した正式オファーを巡り、英国の公共放送『BBC』は現地時間1日夜(日本時間2日未明)に「却下された」と速報で伝えた。
「クリスタル・パレスが提示したマインツのミッドフィールダー、佐野へのオファーが断られた。パレスは25歳の日本代表選手への移籍金として2500万ポンド(約54億1000万円)を支払う用意があると伝えていたが、これはドイツのクラブが佐野に対して設定していた評価額を大きく下回る金額だった」
マインツは佐野に対する移籍金として、5000万ユーロ(約92億8500万円)から6000万ユーロ(約111億4100万円)を設定していた。関心を示していたとされるリバプールなどのプレミアリーグ勢が具体的なアクションを起こさない中で、今夏の移籍期限となる現地時間1日に『BBC』は次のように伝えている。
「クリスタル・パレスはマインツの佐野に遅ればせながら関心を示し、彼の獲得へ向けてドイツのクラブと交渉を開始した」
同メディアが「遅ればせながら」と言及したのは、マインツが佐野に関してだけは、現地時間8月27日を交渉期限に設定すると表明していたからだ。
鹿島アントラーズから2024年7月に加入した佐野は、2シーズン連続でリーグ戦の全試合に出場。代役の効かないボランチとしてチームの中心に君臨しているだけに、他のクラブが二の足を踏む移籍金を設定した上で、もし移籍が成立した場合でも佐野の代わりを担えるボランチを移籍期限までの間に探す時間も設けた。
日本代表でともにW杯を戦った盟友、鎌田大地と冨安健洋も所属するクリスタル・パレスは以前から佐野の動向を追っていた。佐野が先発フル出場した8月29日のパーダーボルンとの今季開幕戦にもマインツのホーム、メーヴァ・アレーナへスタッフを派遣して佐野のプレーを視察させている。その上で提示した今回のオファーに対して、チームの地元メディア『WE ARE PALACE』は疑問を呈している。
「W杯北中米大会のブラジル戦でゴールを決めた日本代表選手は、プレミアリーグへの移籍に関心があるとされてきた。しかし、移籍期限ぎりぎりの段階で彼に大金を投入するのは、まさにパニック買いの誹りを免れないだろう」
佐野の残留確定を告げる『BBC』の速報が伝えられたのは、移籍へのデッドラインとなる1日23時(日本時間2日7時)の約3時間前。最初の速報からわずか数時間後で、両クラブがぎりぎりまで交渉した跡もないだけに、破談や交渉決裂というよりは、マインツ側に門前払いされたという表現が正しいかもしれない。
クリスタル・パレスは同時進行で、ベルギー代表FWマリック・フォファナ(リヨン)の獲得にも動いていた。すでにプレミアリーグのサンダーランドへの移籍が確実となっていた状況で、急きょ参入して市場をざわつかせた。これも前出の『WE ARE PALACE』が「パニック買い」と揶揄した動きの対象となるだろう。

