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井岡がスカウトした吉良がプロ5戦目でWBA世界王者に(写真・山口裕朗)
井岡がスカウトした吉良がプロ5戦目でWBA世界王者に(写真・山口裕朗)

めちゃ強い!「これからの時代を作っていく選手」吉良大弥“ワンパン”TKOでの日本最速タイ世界奪取を井岡一翔が絶賛…亀田興毅氏と“決別”のIBFフライ級王者の矢吹正道とのビッグマッチも浮上!

 それは井岡が吉良に言い聞かせてきた人としての大切なスタンスだった。
「自分よがりにならない。その気持ちがある限り、サポート、応援している人がずっていてくれる」
 プロ5戦目で世界の頂点に上りつめた吉良は、この先どこへ向かうのか。
「もう多分ライトフライは、無理かなと思ってるところはちょっとある。まだ何とも言えないが、違う色のベルトが欲しい」
 吉良は断言こそしなかったが、フライ級への転級の方向でほぼ固まっている。もうこの階級での減量は限界だ。
 WBAの休養王者でWBO王者のレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に対する気持ちが「あんまりない」と答えたのはそういうことだ。
 二宮マネージャーも「まあライトフライでできてあと1試合。そのまま上げるかどっちかしかない。本人次第。フライは、いっぱいチャンピオンがいるんでそこで勝負するか」と今後の方向性を明かした。
 そこで対戦相手として急浮上しているのがIBF世界フライ級王者の矢吹だ。
 実は、これまで亀田興毅氏がファウンダーを務める3150FIGHTのリングで戦ったきた矢吹だが、資金面をサポートしてくれていたLUSHとの契約を解消した亀田氏が、これまでの大型興行から路線を変更したため、今後は大橋会長がプロデュースしている「Leminoボクシング」に戦いの場を移すことが内定している。しかも、当面は、スーパーフライ級に上げるのではなく、まだフライ級に留まる方針。11月に予定されている防衛戦を矢吹がクリアすれば、吉良が矢吹に挑むというマッチメイクが可能となる。矢吹vs吉良は注目のビッグマッチになるだろう。
 ただそれも吉良が抱く壮大なプランの次の一歩でしかない。
「その気持ち(複数階級を狙う)はめちゃくちゃ強くなった。5階級制覇。体的に大きい方なんでそこのアドバンテージはある。身長は低いが、逆に階級上げたごとに相手からしたらやりづらさとかも生まれてきそう。複数階級も自分にしかできないことっぽいので狙っていきたい」
 目標とするのは、井岡の4階級越えである。
 ただ吉良の劇的な世界奪取は井岡に刺激を与えた。
 5階級制覇への挑戦だった5月2日の東京ドームでWBC世界バンタム級王者の井上拓真(大橋)に判定で敗れた後、しばらくしてすでに現役続行を決めていた井岡は、この日、公的には、初めて現役続行を表明した。
「力をもらった。初めて世界王座に挑戦した気持ちを思い出す。現役を続ける気持ちでいてるんでいい刺激をもらった。自分もまだまだ彼らに残りの時間で背中を見せたい思いは強く持っている」
 それでも吉良や堤兄弟ら次世代に「もうバトンは渡している」という。
 日本のボクシング界や志成ジムの看板を担うバトンだ。
「自分は自分でセパレートしている。時代はもう彼らの時代。自分もわかっている。やり残したこと、挑戦したいことを自分でやり遂げるが、これからは彼たちの時代ですよ」
 井岡が5階級を制覇すれば吉良は6階級を制覇しなければ超えることはできなくなる。その尊敬するレジェンドとのしのぎ合いが吉良をさらに強くする。
「ボクシングを好きな人たちの娯楽の一部になりたいんですよね」
 それが吉良の目指す理想像。ベルトを目の前に置いて会見に臨む吉良の目は、ダイヤモンドのようにキラキラと輝いていた。

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