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阪神の新守護神の工藤があと1球で悲劇に(資料写真・黒田史夫)
阪神の新守護神の工藤があと1球で悲劇に(資料写真・黒田史夫)

「ファンは藤川監督にブチギレている」阪神の163㎞守護神が「あと1球」から逆転負けの4連敗でSNSでは一部虎ファンが騒ぐ…専門家は「3人の回跨ぎ登板はあり得ない」と指摘

 セ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第4戦が17日、甲子園で行われ、阪神が5-8で横浜DeNAに逆転負けし日本シリーズ進出を逃した。9回二死二、三塁から新守護神の工藤泰成(24)が途中出場の三森大貴(27)に逆転タイムリーを許した。佐藤輝明(27)と森下翔太(26)がスタメン復帰。森下が2打席連続アーチ、佐藤輝も二塁打を含むマルチ安打をマークしたがシリーズの流れを変えることができなかった。SNSでは一部のファンからの藤川球児監督(46)の采配批判の声が飛び交い、現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人も「3人もの中継ぎを回跨ぎさせる采配はあり得ない」と疑問を呈した。

 カウント0-2と追い込んでからの中途半端なストレート

 あと1球コールが甲子園にこだました。
 1点リードで迎えた9回二死二、三塁。打席には8回の佐野への代走から出場した三森だ。新守護神の工藤は、159キロ、160キロのストレートを2球続けて低めに投じて空振り(チップ)、ファウルで追い込んでいた。
 そして3球目。捕手の伏見はやや中腰で外角高めに構えた。だが、そのストレートは、中途半端な高さでややシュート回転して中へ寄り、バットを短く持ちミートだけを心掛けていた三森が合わせた打球がセンター前へ落ちた。2者が生還して逆転。工藤は膝をついたまま1点を見つめて呆然とした。
 あと1球コールが、一転、嘆きに変わった。
 現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、この場面をこう解説した。
「まだ3球ボールが投げれるので焦る必要はなかった。伏見はおそらく高めを振らせたかったんだと思うが、それならもっと大きなジェスチャーで意識づけをしておくべきだった。三森は悪球打ちで知られる打者。食らいついてくる打者だけに慎重にいくべきだった」
 そしてこう続けた。
「中途半端な高さだったにせよ、本来の工藤の球威があれば、ファウル、あるいはポップフライにできたはず。それを前に飛ばされたのはなぜか。私は緊張感のある8回のピンチから回跨ぎをさせた影響だと見ている。この時点で36球。やはり球威がやや落ちてきたと思う」
 工藤は8回に3番手の木下が1点差につめよられ、なお無死一、二塁のピンチに投入されていた。回跨ぎ登板はこれが初めてではない。
 途中出場の井上、代打の筒香を連続三振、4回にプロ入り第1号となる2ランを放っていた成瀬もファーストフライに打ち取り、リードを守ったが、負けたら終わりの第4戦の緊張感のある場面での登板が、若き新守護神の心身に与えるストレスは、シーズンとは違って想像以上のものがあったのだろう。
 しかも、9回も一死から松尾に四球を与え、度会にも中野が追いつくのが精いっぱいの内野安打を許し、一、三塁から牧を止めたバットに当てる一塁ゴロに打ち取ったものの、飛び出した三塁走者のランダウンプレーで途中、カバーがいなくなりそうになり、大山が慌ててフォローするなどのドタバタが続いていた。
 同評論論家は、こうも指摘した。
「この試合で藤川監督は、神宮、木下、工藤と3人の投手に回跨ぎをさせた。この采配はあり得ない。8回に1点差に詰め寄られた木下の失点もその影響が考えられる。8回は頭から石井で良かったのでは?」
 藤川監督は、4回に大竹に代打を送り5回から継投策に出るも、2番手のルーキー神宮にも回跨ぎをさせた。2イニング目はエンカーナシオンの二塁打などで一死一、三塁のピンチを迎えていた。横浜DeNAベンチが古市に代打を送ってこなかったので、三塁ゴロで本塁封殺。さらに成瀬も三振に打ち取るも、綱渡り的な2イニング目だった。7回からは木下。神宮の回跨ぎの影響を目の前で見ているのに藤川監督は、その回を無失点に切り抜けた木下を8回にも回跨ぎで続投させた。案の定、木下は乱れた。先頭の牧に死球をぶつけて、佐野に四球。宮崎に一、二塁間を破られ、5-4と1点差に詰め寄られたのだ。
 ここで工藤にスイッチするも、3人続けての回跨ぎ登板は危険をはらんでいた。

 

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