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第1回「現役ドラフト」の結果
第1回「現役ドラフト」の結果

阪神陽川が西武、楽天オコエが巨人など12人移籍「現役ドラフト」は成功だったのか…”モノ言う”評論家の里崎智也氏に見解を聞く

 大竹は岡田監督の出身校である早大の後輩で、育成ドラフトから這い上がってきた苦労人。2019年にはローテー入りして17試合に先発、5勝4敗の成績を残している。阪神にはいないタイプの技巧派左腕で、先発左腕不足の阪神の補強ポイントを埋める。
 里崎氏は「左腕の中継ぎが不足している広島も、末包らが出てきたことで余剰戦力となった正随で戸根を獲得できいい補強になった」と、巨人から左腕の戸根千明投手(29)を獲得した広島も成功チームとして評価した。
 そして驚きの移籍決定が“眠れる大器“オコエの巨人指名だろう。
 2015年のドラフト1位。走攻守にズバ抜けた才能を持つが、レギュラーには定着できず、怪我などにも悩まされてくすぶっていた。楽天では”問題児的”な扱いになっていた時期もあったが、潜在能力のあるオコエをリストに載せるのには楽天も勇気がいったのかもしれない。
 里崎氏は、「環境の変化で覚醒することに期待を持たせる一番の選手がオコエだったのかも。ドラフト1位は出しにくいが、楽天も、今回の制度の主旨を尊重して、第1回目ということで決断したのだと思う。巨人はドラフトで1位浅野(高松商)、2位萩尾(慶応大)と外野手2人を取るほど外野の世代交代を進めようとしてるのでオコエはピッタリだったのだろう。オコエのような選手は、ノビノビとしたチームより、巨人という規律が厳しくメディアが多いチームの環境でプレーした方がいいのかもしれない」と注目。
 オコエは、楽天ファンへの感謝と共に「来年からは読売ジャイアンツで心機一転頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします」と決意を語り、原監督も球団を通じて「新たな制度のもと、チームの補強ポイントを埋めることができる有力な選手を獲得することができました。オコエ瑠偉選手には、ジャイアンツの一員として、今まで以上の活躍をみせてくれることを期待しています。戸根千明選手にも、新天地での活躍を大いに期待したいと思います」とコメントした。
 そして結果的に1対1トレードの形となったのが、横浜DeNAの細川と中日の笠原の2人だ。
「中日は打線強化がポイントで、阿部、京田を放出した内野は、育ってきた若手とドラフトで固めているので、打撃に可能性を秘めた外野手が欲しかったのだろう。笠原はかつての開幕投手。復活の可能性もあるし投手陣の故障者に苦しむことの多かった横浜DeNAからすれば、一人でも厚みを増しておいた方がいい部分。両チーム共にプラスの移籍になったと思う」と里崎氏。 
 細川は、今季打率.053とチャンスに打てなかったが、将来のレギュラー候補として期待されていた6年目。笠原は2018年には6勝4敗の成績を残して2019年には開幕投手に抜擢された。今季は4試合に先発して勝てなかったが、その1試合が7月20日の横浜DeNA戦。佐野、嶺井に1発を浴び4失点したが、横浜DeNAは復活の可能性ありと踏んだのだろう。細川は、プロ初打席で初本塁打を、この笠原から打っていて不思議な縁で結ばれた“トレード”となった。両球団は今オフに京田と砂田の1対1トレードを成立させている。

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