「ボクシングの幅も拓真の方が全然(天心より)勝っている」井上尚弥がドネア戦で得た“再戦秘訣”を那須川天心を迎え討つ弟に伝授
プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(33、大橋)とWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30、同)が27日、地元の神奈川県・座間市のスカイアリーナ座間で開催された「ざま井上兄弟キッズチャレンジフェスタ」に参加、約150人の子供達の夏休みの思い出作りに一役買った。拓真は9月27日に那須川天心(27、帝拳)との再戦が決定したが、元5階級制覇王者、ノニト・ドネア(フィリピン)との再戦で連勝した成功体験を持つ尚弥は「ボクシングの幅が重要」と再戦心得を伝授し「その幅なら拓真が全然(天心に)勝っている」と太鼓判を押した。
「トータルで返り討ち」
井上兄弟が地元座間の子供達の夏休みの思い出作りに一役買った。
2人は、計6本のベルトを持って約150人の子供達の前へ現れ、質問コーナー、ミット打ちなどの体験コーナー、井上兄弟クイズなど約2時間にわたって交流をはかった。本来予定になかったが、兄弟揃ってミット打ちに飛び入り参加。ミットを持ち、子供達にボクシングの魅力だけでなく、何か好きなことを見つけて一生懸命に努力すれば、「いつか夢がかなう」と、世界王者になった2人だからこその説得力のある“人生論”を伝えた。
天心との再戦が記者発表されたばかりの拓真は、イベントの最後に「お父さん、お母さんにお願いして応援に来てくれればうれしいです」と呼びかけた。
2人並んでの囲み取材では、拓真は「しっかりと作り上げて返り討ちにしたい。向こうはリベンジでくる。それ以上に負けたくない気持ちで倒したい」と改めて決意表明をした。
兄の尚弥も「いつも通り一緒に練習して気持ち的にサポートできたら」と、約束した上で、「やるのは拓真。どうやったたら、あの状態に仕上げられるかを拓真自身がわかっている。井岡戦、天心戦で仕上げた以上のものを作り上げてくると思う。そこに期待したい」とエールを送った。
拓真―天心の再戦の記者発表が行われた23日にはSNSにこう投稿していた。
「拓真の成長は物凄い 自信を持つと人間これだけ変われるのかってことを証明してくれてる。 と言うか今までは練習段階から限界突破する気がなかったような… この2つを身につけた拓真のボクシングは変態で恐ろしい」
拓真は昨年11月の天心戦で圧勝の3-0判定でWBC王者に返り咲くと、5月2日の東京ドーム決戦では、尚弥対中谷潤人(M.T)のアンダーカードで、5階級制覇に挑む“レジェンド”井岡一翔(志成)から2度のダウンを奪う一方的な試合内容を見せ、再び3-0判定で初防衛に成功した。一番近くで、その進化の過程を見てきた尚弥だからこそ「変態で恐ろしい」の実感がある。
そして自らドネアとの再戦経験のある兄は、再戦の心得をこう説いた。
「2度目の戦いはボクシングの幅が重要になってくる。ボクシングの幅としても拓真の方が全然(天心に)勝っている。そういった点でも有利に働く」
さらにそのボクシングの幅についてこう説明を加えた。
「(自分のドネア戦の)試合内容でいえば、どちらが幅が広いかを示せた試合ではなかった。試合に挑むまでの調整期間に1戦目とは違う考え方で挑まないといけない。気持ちでボクシングをどれだけ充実させて、戦った記憶を生かして、調整できるか。そこに幅が必要になってくる」

