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ベル―戦でゴールを決めた三笘薫が“謎”のハートマークを手で示すパフォーマンスを見せた(写真:つのだよしお/アフロ)
ベル―戦でゴールを決めた三笘薫が“謎”のハートマークを手で示すパフォーマンスを見せた(写真:つのだよしお/アフロ)

「自分のプレーを見て7番をつけたいと望む子供たちが増えれば」憧れの“クリロナ”背番号をつけた三笘薫が1ゴール1アシストの活躍に込めた思いとは?

 一般的にはそのチームのエースストライカーが託される背番号。3月シリーズでも引き続き「9」だったが、三笘自身は「違和感があった」と本音を打ち明ける。
 一転して今シリーズで「7」を託された胸中をこう語る。
「僕は7番が昔から好きでしたし、それをつけるのはすごく嬉しい」
 サッカー少年時代の記憶が蘇る。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリード、そしてポルトガル代表でも「7」を背負い、ドリブル突破からゴールを量産したスーパースター、ロナウドに憧れていたと、三笘は今シリーズに入って打ち明けている。
「そういった選手の影響もありますし、小さい頃に(同じ背番号を)つけていというのもあります。そういうスタイルを真似して、ドリブルもしていました」
 日本代表の「7番」と言えば、中盤の選手を連想させる。中田英寿をはじめ、遠藤保仁や柴崎岳らが背負ってきた代表の歴史を三笘自身も熟知している。その上で「7番」が馴染むかどうかは自分のプレー次第だと、エルサルバドル戦前に語っている。
 得点能力や身体能力の高さも含めて、まだまだロナウドの域に遠く及ばないと三笘は恐縮する。それでもフル出場したペルー戦で何度も見せたドリブルや、そこからのゴールやアシストは日本中のファン・サポーターに“新エース”降臨を確信させた。
 試合後の取材エリア。三笘は静かな口調で大きな夢を語った。
「自分のプレーで『7番』をつけたい、と望む子どもたちが増えれば嬉しい」
 さらにドイツ代表との再戦が決まっている9月のヨーロッパ遠征、11月から始まるW杯アジア2次予選、そして2026年夏にアメリカ、カナダ、メキシコで共同開催される次回W杯へと続いていく代表での戦いへ向けても決意を新たにした。
「これからもずっとつけていきたい背番号ではあります」
 ロナウドを含めたいい選手の条件として、三笘は「チームの勝利に貢献するプレーを継続していくことで、そのような見られ方をする」と掲げる。ブライトンで、そして日本代表で右肩上がりの軌跡を描かせていくために。初めて経験したW杯をはさんで大きく羽ばたいたシーズンを、森保ジャパンの快勝で終えた三笘はすでに次なる戦いを見すえている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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