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  • 「なめてんのか!」約3キロ体重超過で王座剥奪フランコの「ドーピング騒動のせい」の醜い責任転嫁にプロ失格の声…大麻検出問題を逃げずに語った井岡一翔は「正義が勝つ」
3.1キロの体重超過を犯して王座を剥奪されたフランコ(左)の計量を見守る井岡とサラストレーナー(写真・山口裕朗)
3.1キロの体重超過を犯して王座を剥奪されたフランコ(左)の計量を見守る井岡とサラストレーナー(写真・山口裕朗)

「なめてんのか!」約3キロ体重超過で王座剥奪フランコの「ドーピング騒動のせい」の醜い責任転嫁にプロ失格の声…大麻検出問題を逃げずに語った井岡一翔は「正義が勝つ」

 井岡陣営のサラストレーナーは「とんでもないことだ。もう落とす気はなかったんだろう。プロじゃない。調べてみてくれ。彼らがこういうことをしでかしたのは、初めてじゃないんだ」と激怒。
 JBCの安河内事務局長も「プロ失格でしょう」と苦言を呈した。
 その公開練習を視察していた元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏も「月曜日、200グラムオーバー言ってたのに、今日の計量で3キロオーバー?ナメてんの?ボクシングやる資格なし!」とSNSで非難した。
 最悪の体重超過事件として、日本のボクシング史に残っている2018年の山中慎介氏と、ルイス・ネリ(メキシコ)のWBC世界バンタム級戦でもネリは一回目で2.3キロ、2回目で1.3キロ超過だった。
 フランコは王座を剥奪され、ファイトマネーはWBAの規約にのっとった減額。JBCも今後の日本での試合について期間を設けて禁じるサスペンテッドを科す予定。ちなみにネリは事実上の永久追放となっている。
 前代未聞の体重超過にも、井岡は、まったく動じず「僕の気持ちとしては何ひとつ変わらない。やるべきことをやって、明日リングに上がって、僕がチャンピオンになるだけ」と受けとめた。
 体重を作れなかった王者の姿勢に怒りはないのか?と聞いたが、「まったくない」と言い、「やるべきことをやって僕は計量をベストな状態で迎えた。それだけで充実した気持ち」と達観した境地を明かした。
 そして井岡はドーピング検査で大麻処分が検出された件について初めて口を開いた。筆者が、その問題についての井岡自身の気持ちを聞こうと、質問を始めると、JBCのリングアナでもある司会者が、「明日の試合に関する質問だけに…」と遮ろうとした。
 筆者と司会者の間で押し問答になったが、「その質問だけ答えます。代表で。どうぞ」と井岡自らが、司会者を制して、触れたく話題について逃げることなく、こう言及した。
「(大麻検出を)明確にいつ聞いたかまでは覚えていないが、僕が思う気持ちとしてボクシングと向き合ってきて、自分に嘘はついていない、応援してくれる人や、サポートしてくれる人と、自分自身に真摯に向き合っていることに嘘はなく、正々堂々と戦っている」
 B検体での再検査でも大麻成分が検出された事実は動かせないが、井岡は、潔白を主張した。
「以前にも、こういうことがあって、100%、JBCとの関係性も修復はしていないし、自分として思う気持ちは、色々とあるが、僕としてもチームとしても、この試合を実現させることがベスト。実現して、勝利して、必ず正義が勝つことを証明しなければならない。明日リングに上がれることを信じて最後までやれることをやっていくだけ」
 2020年大晦日の田中恒成戦でもドーピング疑惑が取り沙汰されたが、JBCのずさんな検体の管理などの失態があり、潔白が証明され、J当時のJBC理事長が謝罪するに至った。その後、JBC組織が一新、ドーピング体制も見直されたが、井岡の中では、まだわだかまりがあり、世界戦直前での発表にも不信感を抱いていることが言葉の端々から伺えた。
 だが、フランコとの再戦が行われることだけに集中してきた。大麻検出で、井岡に、“逆風”が吹いていたが、フランコの愚行と発言、そして井岡のこの問題から逃げずにコメントした姿勢で一転、応援ムードに風向きが変わってきた。

 

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